夏バテ日和

夏バテ日和

三日前

思い立ったが吉日ということで、ダイエットを始めた。

ただ、思い立った日が良くなかったみたいで熱中症で倒れて今は食っちゃ寝の日々。

味の薄い病院食で涼しい部屋の中過ごしている。

かわいい看護師さんなんているはずもなく、いるのは素敵な笑顔のおばちゃんばかりでまぁ声が大きいのなんの。耳が遠いんかね。よく聞こえるわ。あとつばが飛ぶ。

ようやく退院の日を迎えカバンを片付けてるとノックの音が聞こえる。

「あら、もう着替えて片付けてたんかい」

見舞いに来るの遅いんじゃ母よ

退院の日に初めて顔見に来るとは

「久々におうたからね、ちょっと買い物付き合いや」

いやいや、我熱中症で倒れたんやぞ？退院してすぐ買物に付き合えてあんたは鬼か？

母に逆らえるわけもなくそのままスーパーへ。

なるほど今日は牛乳の特売か。一人一本なら仕方ない。

母は偉大なり。母は強し。ママ万歳。

なぁ母さん。そんなに牛乳買うなら今日はミルク煮を作ってくれんか。

久々に食いたいわ。

「ええよ。あんたも手伝いや。」

牛乳の重さでビニール袋の持ち手が伸びていくのを感じつつ帰る夏バテ日和。

久々に親子で話せるなら熱中症もわるかない。

…いや、二度とごめんやな。