五歳で独りで生きられますか?

静かそうな青年も準備は出来ている

今22歳とてもきびしい生活をしています

自信はありません、この挑戦も本当は恐い

だけどみんなと同じように舞台に立ちたい

自信はないけど歌ってる時だけは他の自分になれる気がする。


「外見から、今何をしているか、わからないですけど何を?」


「仕事も不規則ふきそくです」


申込書もうしこみしょを見ましたけど家族の記載きさいがないのはどうして?」


「三歳の時に孤児院こじいんに入って、五歳で身の危険を感じて逃げました」


施設しせつから抜け出して後はどう生活を?」


「五歳の時からガムや栄養ドリンクを売ったりして10年間

それで生活をしてました、ずっと独りです、寝床ねどことか

とか10年間その日暮らしで、小、中学校へは

入れませんでした」


「五歳から独りで?」


「はい、高校生で初めて学校に行き勉強しました、五歳からお金を

少しずつ貯めて」


「良かった、あなたは素晴らしい、今日は歌ってくれるの?」


「はい」


「歌う事は楽しい?」


「楽しいと言うよりは暗い生活を送る中で初めて好きになった

ものだから、上手くはないけど、ただ好きです」


彼はとても謙虚けんきょで声には自信がないように聞こえた。


是非聴ぜひきかせてください」


思い描くのは平和な世界

誰もが幸せに暮らしてる

雲のように自由な生き方を

ただ夢に見てる人として

心の底から雲のように自由な生き方を

ただ夢に見てる人として


き通る綺麗な声でゆっくりと会場を包み込んだ

観客は第一声で声を上げて拍手をして涙を流し魅了みりょうされていた

彼の生き様ではなく歌声に歌い終わった瞬間、拍手喝采はくしゅかっさいが起きた

審査員もハンカチで涙を拭ったほど良い声だった

その後審査員から感想をべ始めた。


「ただあなたを抱きしめたい」


「何故歌いたいの?」


「幼い頃から沢山辛い事がありました、自分が売り飛ばされ

たり、ある日ガムをクラブで売っていると聞こえて来たんです

歌手が楽しそうに歌っている声がその迷いない顔にかれました

それから好きに」


「夢は歌手になることね?」


「はい」


「きっとあなたの身体のどこかに楽器があるけど

習ったことがない?」


「無料の勉強会があればそこで練習をただそれだけ

いつかは習いたいです」


此処ここで何が起きてもレッスンをどんな手段でも受けさせたい」


観客かんきゃくの反応を見れば君がどれほどか、わかるはず

素晴らしかった」


その後、彼は初めてつばさを手にした、彼は苦しい中でも自分を

見失なうことなく、真面目に純粋じゅんすいに生きてきた五歳から独りで

大人の手も借りず、情熱を信じてる、才能があってもそれを

気づける人は少ない、私も彼を見て伝わってきた、素直さや

謙虚さ夢を持つ素晴らしさ。


五歳でみんなは10年間も

で生活することを想像出来ますか?

五歳からあなたは独りで仕事をして生きられますか?

あらためて世界は広くそして幸せを掴むことの意味と

家族がいない生活をしている人が、子供がいるそこに

誰かが手を差し伸ばせるような世界にしたいと私はあらためて思いました。

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