雨にも負ける[私とアン]

雨にも負ける

風にも負ける

雪にも夏の暑さにも負ける

丈夫な身体を作らない

欲ばかり

いつも誰かに怒ってる

いつも静かに黙っている

一日に好きなものを食べ

あらゆる事に自分は関係無いと思い

人の意見は聞かず

そして忘れる

親の家に居座り

東に病気の子供が居たら

自分には関係無いと言い

西に疲れたおばあちゃんが居れば

私も疲れていると言い

南に死にそうな人が居れば

自分でなくてよかったと思う

北に喧嘩や訴訟があれば

笑って結果を見る

一人の時はつまらないから知り合いを連れて

飽きるまで遊ぶ

みんなにバカにされたらみんながバカだと言い

誰も褒めず迷惑すら感じない


「アントワネットだよ〜

この雨にも負けるって宮沢賢治の雨ニモマケズの現代の人間に

向けて書いたのかにゃ?

知っている人は知っているかもだけど、一応説明しておこう

宮沢賢治は小説を書きながら雨ニモマケズを世に出さずに

亡くなったんだよね〜

自分がそうなりたいって思ったのか、そうなって欲しい

とか今は知ることは出来ないけど自称『私』と言っている

人間に聞いてみるにゃ!」


「私は語り部、未来から来た、私がいた未来は人類が滅びかけて

いた、私はタイムマシーンで来たのでは無い

精神脳科学理論せいしんのうかがくりろんをもとにタイムリープして来た

私の理論では人間の脳に極限状態にすれば時間じかん時空じくうゆがめることが出来る

人間は素粒子そりゅうしレベルまで

なれる事が出来る、そして無意識むいしき意識いしきがコントロール

可能になるそうするとタイムリープが実現可能になる理論で現代に

来れた、ただそれだけのこと」


「アントワネットには意味が分からないけど、簡単に言うと

頑張ればなんでも出来るってことかにゃ?

それと雨にも負けるってなんで書いたのにゃ!

宮沢賢治はなんで死ぬまで雨ニモマケズを出さずにいたにゃ!」


「噛み砕き過ぎだ、宮沢賢治はそれでも残してくれた

雨ニモマケズを私はその意味に気付いて欲しくて

雨にも負けるを現代人に伝えることでオリジナルの意味

を思い出しそして行動して欲しいと思ったそれだけのこと

ところでアントワネットと言うあなたは

どんな存在なのか、実に興味あるのだが説明してもらえるか?」


 アントワネットはぷかぷか浮きながら話をしている

猫耳と尻尾がある人間みたいだが、服装がツッコミどころ

満載で誰でも聞きたくなるだろう。


「我が輩は神さま的な存在で通称ツクモ神である!

これでも何千年と生きた猫!

上から90、60、80のナイスボディの女神である!

名はアントワネット、我が輩に出会えたことに頭が高い!

この金色の髪は神になった証であるニャハハハハ」


「なんだ、何千年ってことはババアじゃん、ナイスボディ

って自分が言うかよ、ププッそれに虹色の布切れじゃん」


「このやろ〜我が輩を今馬鹿にしたな〜

怒ったぞ〜許すまじ言動、しかも布切れじゃない

天使の羽衣にゃ後悔させてやる!

クリンクリンのことかーーーー!」


 髪が風に吹かれて逆立ち、身体からバチバチと電気ぽい

のがまとわって服もバタバタしている、これってもしかして

スーパーになった!


「ちょっと待て待て、そのクリンクリンとか知らないし

地球がもたない気がするから落ち着いて!

そうだ、ちょっと待っててアントワネット!」


 猫の弱い物は、なんかないか?

あ、またたびだ!どこか近くに・・・あった、大型スーパー発見!

ちょい急いで買ってこなくては、ダッシュで行こう自転車無いし

間に合ってくれよ、私が来た意味なくなるから!

早速ペットコーナーに向かって、あった!

またたびゲットだぜ!


「アントワネット、これを見ろ!」

 私はまたたびを取り出し思いっきり振った。


「カーメーハーメー・・・は!」

 アントワネットはまたたびの匂いにじゃれ始めた。


 モンスターボールがあれば投げつけてやるのに!

なんのやりとりさせるんだよ!

このダメ神め、確かにナイスボディだけど私は語り部

あの女神にはなんか興奮しない、これは黙っておこう

またクリンクリンのことかとか言われても困る。


「アントワネット、クリンクリンってなんのこと?

それとなんで知ってるんだ、鳥山先生の漫画!」


 アントワネットは戯れながら応えた。

「え〜っと、圧倒的に暇だったから色々本読んでて

鳥山先生最高じゃない、やってみたいじゃない!

神さま的な存在なのに!

クリンクリンは我が輩の寝癖をクリンクリンって言う

のを思い出してちょっと鳥山先生のセリフ覚えて語呂が

よくない?」


「あ〜そゆこと、カーメーハーメーの後何か出来るの?」


「たぶん、言えば出るかな〜ってニャン」


「てへ、みたいにニャンって言うなよ、ちょっとワクワクして

損したわ!

それとなんでこの世界に来たんだアントワネットは?」


「よくぞ聞いてくれた、我が輩は神から願いを三つ叶える

ために言われて、その条件として全人類の願いを同じにする

条件が満たされてないと人類を滅ぼすって言うにゃ

そのために我が輩は来たのにゃ!

神さま的な我が輩の願いは無理って言うから、人間じゃないと

ダメって言うから仕方なくにゃ!」


 ぷかぷか浮きながら足を組んで上から目線で堂々とこの

ダメ神め、その服装も気になってしょうがない目立ちがりか!


「今サラッと人類滅ぼすって言った?

それって私が来た未来と関係あるのか!

もしかして・・・

アントワネットはなんでその服装なんだ?

布切れ一枚なんてハレンチの神の影響か?」


 アントワネットは指をポキポキ鳴らして応えた。

「おい、人間!もう一度怒らせたいのかにゃ?

今度は出そうな気がするにゃ、カーメーハーメー・・・」


「待て待て待て、私は語り部、慣れてないのだ話し方

ヒーヒーフーほら一緒にヒーヒーフー」


「ラマーズ法かにゃ?

ニャハハハハおぬしは本当に話し方を分かっておらぬようだ

それは我が輩を落ち着かせる意味は無いぞ!」


 なんとか、おさまった、てか効いてるじゃんラマーズ法!

落ち着いてるじゃん!

まぁいいかあと一つ聞きたいことがあった。


「アントワネット、もしかして七つのボール集めた?」


「にゃんで分かったのかにゃ!

そうそう圧倒的に暇だったから我が輩はもともと猫にゃん!

玉を転がすと夢中になって綺麗な玉があったから集めてたら

なんか出てきたにゃ!」


「それ!鳥山先生知っててやっただろ!

あるのかよ!

神さま的な世界に!

あと人類滅ぼすって怒らせたのアントワネットじゃないの!」


 アントワネットはぷかぷか浮いていたのをやめて、地上に降りた

少し浮いているが私の周りを周りながら、観察している

完全に怒らせたことスルーしてこの〜。


「一つ問題を出していいか?

アントワネット、どうするか聞きたいんだ」


「二つに分かれている道がある、一つは行きたくない道

もう一つは行きたい道、そこには嘘しか言わない人間と

正直にしか言わない人間がいる、行きたい道に行くなら

質問を一回だけ出来る、それは見た目が同じ人間で

一人にしか聞けない、はいといいえしか言わない

なんて質問すれば行きたい道に

行くことが出来るか、こたえられるか?」


「いきなりだにゃ、その質問をこたえれば

どうかなるのかにゃ?」


「私の道とアントワネットの道が行きたい道ならこれから

一緒に行くべきだと思うんだ、もし行きたい道じゃない道を

選ぶなら、これから二人は違う道を進んでいくこと

これは人生の選択にどう考えるかと同じだと思うんだ

行きたい道を選べる人と行きたくない道を選ぶ人がいる

私は語り部だからこんなことをたまに言うけど、それでも

一緒の道を選ぶのなら、一緒に行くべきだと思うんだ

アントワネットは行きたい道を選べる質問をすれば

これからも一緒に行かないか?」


「我が輩を試しているのかにゃ?

面白いな人間、我が輩とおぬしが一緒に行くメリットは

あるのかにゃ?

そこが一番大切なんだにゃ、同じ道でも目的が同じとは

言ってにゃいにゃ、我が輩は行きたい道を行く

おぬしが決めるのにゃ、応えたぞ人間

我が輩は行きたい道を行った、それが答えだ!

おぬしの番じゃぞ人間」


「凄いな、さすが神さま的な存在だ、質問をしないで

行きたい道を選んだ、確かにルール違反じゃない

私は語り部、答えを出さないと行けないとは言ってない

発想が一休さんみたいだがいいだろう・・・

そうだな、この答えは確かに二つある、答えを知っている人間

と同じ道を選ぶのと自分で答える、この二つ、よく考えると

ずるいと言う人はいるが、応えず正解を知っている人間を待つ

それも正解だ」


「で、おぬしは行きたい道を選べるのかにゃ?

人間、我が輩は行きたい道にもういるぞおぬしがこたえよ」


「分かった、私も行きたい道に行こう、

では言おう

『私は行きたい道を行きたいこっちの道は行きたい道ですか?と

聞いたらはいと答えますか?』

それが私の答えだ!」


「それで、どうして行きたい道に行けるのにゃ?」


「よく考えて聞けば大丈夫だよアントワネット

ただ行きたい道をこっちですか?と言ったら嘘をつく人間は

行きたくない道だとしたらはいと言うだろう

だが正直なことしか言えないならいいえと答える」


「そうにゃ、嘘つきだからにゃ」


「じゃあ今度はさっき言ったのを思い出してみようか

私は行きたい道を行きたいこっちの道は行きたい道と

聞いたらはいと答えますか?

だったもし行きたくない道なら正直なことしか言えない人間なら

いいえと教えてくれる、ここまでは分かるかアントワネット?」


「分かるんにゃ、正直だからにゃ!」


「じゃあ、嘘つきならなんて言うか分かるか?」


「ちょっと考えてみるにゃ・・・

嘘しか言えないなら、行きたくない道を

行きたい道と聞いたらはいと答えますか?

だったにゃ?」



「そうだ、アントワネット、正直な人間なら行きたい道ですか

と聞いたら正直に答えるが嘘しか言えない人間は

嘘しか言えなくなる、だとしたらいいえが嘘にならなくなる」


「どういうことにゃ?」


「そのままだよ、アントワネット正直な人間は

はいといいえ必ず正直に答える

嘘しか言えない人間は嘘しか言えない

そこがポイントだ、嘘の嘘は何になるってことだよ

アントワネット」


「もう、アンでいいにゃ、これからも一緒に行くにゃ」


「難しかったか?

アン!」


「人間の考える事は分からにゃいにゃ!」


 今は二人だが、これから始まる物語は語り部と神さま的な

元猫のアンとの旅になる、語り部は言葉を刻み女神のアンは

全人類の願いを叶える方法を探す事になるが、問題は

全人類が同じ願いを思うかそこにまだアンは気付いて無い

人間は複雑な生き物だと言うことに・・・・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る