面白かったです。本来、やらなきゃいけない生活の最低限度もできなくなるくらい鬱ってしんどいんだよなぁと読みながら思い出していました。最後の最後で急展開。自分のことすらままならない精神状態で、知らぬ間に日常と大切なものが両手の指の間からこぼれ落ちていく感じに胸が締め付けられるようでした。コンパクトに纏められた中に、優しい文章で語られる彼女の苦悩は、きっとあなたの孤独に寄り添ってくれると思います。
テンポのいい文章の中で、主人公メグミの心情を描いていく。この感じな好きな人も多いんじゃないかなあ
職をもなく、バーと男の部屋をさまよい、街を転々とする主人公。帰ることもできない部屋のことがいつも気がかりであって……「慈ちゃんはいい子だねぇ」「こぉんないい子をくださって、神さまに感謝しないとねぇ」主人公はきっと、お祖母ちゃんから与えてくれたこの言葉にふさわしい大人になりたかったんだろう。