第15話 災厄の予算案

なんだろこれ。わかんないな。

明日マクシミリアンに聞けばいいか。


部隊編成なんて別にいいじゃない。どうせ総出でいくんだし。小分けにしたら返って分かりづらいだけだよ。


補給費用?補給費用ねえ。まあざっくり500万デルードくらい?一週間でしょ、そんなもんじゃない?足りなかったら兎でも狩ってなんとかするでしょ。


装備、装備…?剣と槍以外なんかいるのかな?あれ?確か訓練用のあったよね。馬なんて士官だけあればいいんだし10頭くらい?あれもうちょっといたっけ?


あーあ、こんな細かいやり繰りを真面目にやるなんて僕はついてないな。もうすっかり日も暮れてるし。今日はそろそろ切り上げて帰るか。


お祖父様とも相談して早く男爵位継承の話を進めてもらわないと。早くしないとお祖父様が死んじゃうよ。そうしたら男爵位が断絶しちゃうかも。まずいよそれは。


ただなあ、アルフレッド叔父さんにも随分と信頼されてるみたいだし、ちょっと気が引けるかなあ。マクシミリアンも頭はいいんだけどアタマ悪いんだよねあの人。


エリーゼは元気かな。たまには面会に行ってあげないとかわいそうだよね。結婚はできないけど男爵位を相続したら寵姫にしてあげるからもう少し辛抱してね。


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ショードル・ロイヤ少尉による世にも恐ろしい巡回視察予算案は、もちろんマクシミリアンの激怒によって実現することはなかった。


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