第2話 アルフレッド・ロイヤの晩餐
「今日もお疲れ様です、あなた」
若い女がにっこり微笑んだ。
「うむ」
アルフレッド・ロイヤも鷹揚に頷く。
王国騎士たるアルフレッド・ロイヤは館に住んでいた。やや小ぶりだが庶民から見れば充分な大邸宅である。使用人も10人ほどもおりその権威をいやましている。
「今更ですが、あなたと結ばれて本当に幸せです」
19歳の彼女はうっとりとした目でアルフレッド・ロイヤに笑顔を向けている。
「うむ」
またもアルフレッド・ロイヤは鷹揚に頷いた。
もう50歳のアルフレッド・ロイヤは、その年齢と経験でさまざまな相談を受けることがある。例えば長年懇意にしている問屋から、失恋により少し心が壊れてしまった娘をしばらく面倒みて欲しいなどという話もあるのであった。
「本当に幸せです。あなた」
そういう彼女の瞳孔は瞳いっぱい開いていた。背後からは妻の殺意を感じていた。
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