■登場した『感傷的心象（エモーショナル）の影響力（・エフェクト）』■

・『みんなアタシ（レッド・スト）の運命の人（リングス）』

　有友あさひがその胸に宿す能力。

　交友を持った人間、家族や友人、知人に対し精神的な繋がりの糸を結ぶことで、自らの意思を対象に反映させる。

　相手の意思や行動に干渉することができ、思い通りに操作することができる。

　また繋がりを辿って相手のおおよその位置を把握することや、相手の心情や精神状態を大まかに認識することも可能。

　彼女の大切な家族や友人との絆を想う気持ちと、孤独を恐れ常に人との繋がりを求めるトラウマが生み出した能力。

・『あっかもしれな（パラレル）いはそこにある（・メイビー）』

　神楽坂未琴が使用した能力。

　可能性の数だけ世界を分ち、並列して展開することができる。

　並行世界を創造するわけではなく、飽くまで数多の可能性を同時に進行させるもののため、収束することでそれぞれの経験値が合算される。

　第二章においては能力の使用を尊の周囲だけに限定したため、分岐した二つのルートの差異は限りなく少なかった。

　本来は『自分がしていたかもしれない可能性の結果を集約し取得する』能力だったが、彼女がこれを昇華させた。

・『後悔先に絶たせず（リード・リロード）』

　第一章にて神楽坂未琴が使用した能力。

　世界の時を巻き戻し、望む時点からやり直すことができる。

　世界自体の進行を巻き戻すため、起きた一切の出来事は残らないが、同じ期間を繰り返し過ぎると残滓が染みつく場合がある。

　能力使用者の精神、記憶は巻き戻る対象に含まれない。タイムリープの一種のような現象を引き起こす。

　本来は『自らの肉体時間を巻き戻す』能力だったが、彼女がこれを昇華させた。

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