第2話 知らないことだらけのスタート
さすがの俺でもPV0はトラウマだ。だいぶ読んでもらえるようになった今でも、0には怯えている。
幸いにも2日目は少しではあるがPVがついた。1という表示のなんと神々しいことか。
調子に乗った俺は、プロローグに続いてエピソード1を書き始めることにした。
前回書き忘れたが、サブタイトルはそのエピソードで印象に残る台詞にしようと決めていた。それは、俺が大好きなアニメのサブタイトル手法を丸パクリしたやり方だ。だって好きなんだから仕方ないじゃん。俺もやりたかったんだよ。
ただ、毎話毎話それをやるのもきついので、エピソードという括りで章に分けることにした。唐突に、章の冒頭にはそのエピソードで最も盛り上がるシーンを数行入れるということを思い付く。こんな高等技術を初の小説で使うとか何を考えてるんだ、とは思わなかった。
ほら、なんかそういうのあるアニメあるじゃない。オープニングテーマの中に一瞬その話のハイライトみたいなシーンを入れるやつ。あれの丸パクリであった。
あと、変にこだわったのが『むせる』雰囲気を書いてやろうという部分だ。某名作ロボットアニメを好きな方は気付いてくれるだろうが、昨今のWEB小説の流れからは大きく乖離したものだ。
でも、書きたかったんだよ。俺もむせるやつ書きたかったんだよ。きっと読んでくれる人いるって思いたかったんだよ。
そんなこんなで、エピソード1を書き始めた。やっぱり意外とすいすい書ける。ひとつの投稿あたり1500文字ちょいにしようと思ったのは、完全に感覚だった。
後から思えば、この縛りは正解だったのだろう。書きやすい文字数でテンポもいい。
そうそう、この時期はあんまり先を考えていないし、界隈の知識もさっぱりない状態だった。だから、やたらと『後から思えば』というようなフレーズが出てくるが容赦してほしい。
ただ、その時俺は気付いていなかった。
プロローグでもそうだったのだが、WEB小説特有の改行を多めにしたり、数行で行間を空けるなどのテクニックを全く使っていなかったのだ。
その失態は、後々に指摘を受けるまで続くことになる。
知らないもんは知らないんだよもう。
以降は2日に1回程度の投稿をするも、1日のPVは基本的に一桁だった。そりゃ、無名の人間がよくわからん小説を中途半端に投稿しているのだから、読んでもらえるだけありがたい。
今思えば、エピソード1は書き溜めしておくべきだった。
だって、ダブルヒロインとか書いておきながら、二人目のヒロインが出てくるのエピソード1の後半なんだもの。part.1でちょいとだけ出てきてるけど、そんだけなんだもの。
世界観の説明や主人公たちの動機なんかをひたすら見せられたら、飽きちゃうでしょうよ。
その時の俺は、そんなことは考え付きもしなかった。
確か、初投稿から一週間くらい経った頃だ。あんまりにもPV増えないので、なんか駄目なんじゃないかとようやく思い始める。(もちろん、書き溜めの件は気付いていない)
ネットで軽く『WEB小説 PV 増やす』なんて調べてみると、大量に情報が出てきた。
あ、先に言っておくが「投稿前に調べろよ」なってツッコミはなしにしてほしい。それは、本人が一番わかっている。
出てきたのは、例えば『タイトルは目立つように長くつけよう』とか『興味を引くようなキーワードをキャッチコピーに入れよう』とか、明らかにもう遅い情報ばかりだった。
もう遅いからの、ざまぁだ。
しかし俺は、その中で今からでもできそうなものを見つける。
それが『某大手SNSでの宣伝』だ。
何年も前に、作るだけ作って放置していたアカウントがあることを思い出す。それを使わない手はない。
その安易な考えが、俺の生活を大きく変えることになるとは、まだ誰も知らない。
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