第5話
Dr.スティーブハリスは不可思議な笑みを浮かべてこう言った。
「全ては君の責任の元にこのプロジェクトを終える。間違いなくミスター龍には死んでもらわなきゃならんのだ。その為に君の頭脳を使う事になる。ピリオド。」
Dr.スティーブの秘書のジュリーハドソンは漆黒の髪をなびかせて、僕を地下の研究室まで案内した。
貴方はもう日本の土を踏むことはないでしょうね。これは国家を挙げたプロジェクトなの。貴方はもう日本人でもない。そしてアメリカ人でもない。ただのMr.ケンとして歴史に名を刻むこともなく、一生をここで終えることになるの。
どうでも良いさ。
僕はジュリーにそう答える。感情のこもってない無機質な声でそう答えた。
今更日本へ帰ったところで僕の居場所はあるまい。洋子もゆきも幸せにやってくれればそれで良いのだ。
次の火曜日にはスティーブ博士はスウェーデンに飛びますので、何かあれば私に伝えてください。とだけ事務的に言い、ジュリーは研究室の扉を閉めてどこかへ行った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます