誰の血

 家に帰ると、腕に血がついていた。

 大した量じゃない。誰かの血を吸った蚊を叩いた時の感じだ。

 

 ただ、蚊を潰した覚えはない。何かにぶつかった覚えもない。もちろん傷口があったわけでもない。


 次の日、その場所を怪我した。肘をついた時、そこに偶然にも画鋲があったのだ。見事に刺さった。



 そして家に帰ると、今度は服の右肩が赤く汚れていた。最寄り駅に降りた時確認したのに、家に帰った時に気付いた。


 次の日、案の定右肩を怪我した。



 家に帰ると、腹部が赤で濡れていた。

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