宝くじのおかげ

 宝くじが当たった。

 店頭でギリギリ受け取れる額と言えば大体想像がつくだろう。ちょっとしたお小遣いだ。

 

 店員の愛想が良かった。

 せっかくだからちょっと高めのものでも買ってしまおうと思っていたし、求めていたのは複雑な工具だったのでちゃんと手に入るか心配だったものの、すぐに理解して案内してくれた。


 

 しかし、彼女は今日もわがままだった。

 良い事続きにも終わりがある。それが彼女だった。


 悪い事にも終わりがある。当然のことだ。大事なのは、その悪循環を自らの手で終わらせられるかどうかだ。

 しかも今日は宝くじが当たったのだから、いい日でなくてはならない。


 そう自分に言い聞かせ、僕は、帰ろうとする彼女に手を伸ばした。

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