嘘と実践
最初は嘘だったとしても、結果現実になればプラマイゼロではなかろうか。
何が言いたいかというと、こういった怖い話を読んでいると、急に背後に嫌な気配を感じることがある。
これを読んだ今、意識したのではないだろうか?
意識すればするほど、その気配は濃くなっていく。
想像の手助けをしてみよう。
その気配は実体を持っている。どのような恐ろしい姿をしているのかは、自分の想像通りだと思う。
例えば、黒髪で、長くて、振り乱していて、俯いている。痩せ型で、骨張った腕の先は不揃いな爪が伸びている。
ゆらゆらと横に揺れながら、ゆっくりと近づいてくる。気を抜くともうすぐ後ろだ。
今だ、今右を振り向いたら、その女はいるだろうか?
おそらく、ほとんどの人が背後に女など立っていなかったと思う。しかし、近付いてきた感覚は本物だっただろうか? 襲いくる不安感は本物だっただろうか?
本物だったとしたら、もしかすると、見えていないだけなのかも知れない。
見えていなくて本当はいるのだとしたら、もしくはその辺にいた何かが自分の思いこみに引き寄せられたのだとしたら、最初の気配は嘘でなくなるのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます