学校の窓

 それはKが小学生の時だ。


 Kは時々、クラスの友達とは様子の違うモノが見えていた。

 そしてそのことを、Kは隠さずに周囲に話していた。

 話されたクラスメイトたちは、それを気味悪がるどころか、興味津々な空気でKは人気者になったのである。


 小学校高学年になると、Kは学校の三階で授業を受けるようになっていた。

 しかし夏の頃になると、やはり気味の悪いモノが訪問するようになる。



 そしてある日、


「あ」


 思わずKは授業中に、ガタンと大きな音を立てて立ち上がってしまった。

 クラスの何人かがKを見て、どうしたの? と声をかける。


「手を振ってたんだ、窓の外、女の人」


 それを聞いて、キャッキャと喜ぶ男子と少し怖がる一部の女子たち。

 担任先生も、いつものことに慣れたようで、少し経つと授業を再開した。


 

 外が何やら騒がしい。

 立ち上がった時の音がそんなに大きかっただろうか?

 それとも、他にも女の人を見た生徒がいたのだろうか?


 放課後を待たず、その日学校の授業は中止になったとのこと。


 掲示板などではありきたりな話、当事者である彼は未だに窓を見ると変な動悸がするという。

 


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