走馬灯

 夜、下を向くと満月があった。

 嗚呼、気が付かなかったな。こんなにも明るいだなんて。


 風が強い、髪が空に向かってなびいている。

 そうだ、今日も夜風が冷たいとお天気お姉さんが言っていたな。


 上を向くと自分が映った。

 そういえば、あの日告白してきたB君は今どうしているだろうか。


 自分の目が映った。

 保育園のダンス、楽しかったなあ。


 額の産毛が塩水に触れた。

 

 あ、怖い。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る