第4話 読書

高井圭介。28歳。アラサー男子。仕事は工場勤務。安月給。

自由に使える毎月の小遣いは2万円。ちなみに週休二日制である。

金なし、友なし、女なし。でも時間だけは、そこそこある。

そんな俺は、今日もソロ活ライフをエンジョイするのだった。


今日は書店に行く。文庫本を買って家でじっくりと小説を読もうではないか。

文庫本の後ろには、必ずあらすじが書いてある。書店の文庫コーナーでじっくりと手に取って、今日一日をかけてじっくり読む小説を慎重に慎重を重ねて選ぶ。俺は今、書店の文庫コーナーで一時間粘って悩んでいる。


「うーん……。こっちが面白そうか……?いや、このミステリー小説も面白そうだ。SFもいいな。うーん、迷う……」


文庫本は、大体1冊1000円以内で買う事ができる。1冊の小説で自分の人生観を変えられるような凄い本に出会える事もある。自分好みの小説に巡り合えた時、自分の選択を褒めてあげたくなる。そして失敗した時には、時間とお金を失う事になる。

だからこそ慎重に慎重を重ねて本を選ぶ必要があるのだ。


「よしっ、決めた」


俺はミステリーとSFの小説のどっちを買うか悩んだが、今日はSFの方を選んだ。

家に帰って珈琲を入れる。


「さあ準備よし。読むか」


地球とは違う惑星で繰り広げられる宇宙を旅する冒険物だった。

読んでいくと壮大なスケールが物語が進んでいき、ページを捲る手が止まらない。

一気に最後まで読み進めていった。

気が付くとかなり時間が経っていた。


「いやぁ……すごく良かった」


俺は物語の余韻に浸りながら珈琲を飲んだ。

物語は完結したけど、もし続編が出たら絶対にまた買おう。


俺は今日、家にいながら壮大な宇宙を旅した。

ドキドキハラハラな冒険を繰り広げたんだ。


やっぱり読書は良い。

これだけの満足感があって、文庫本も一冊700円だった。

コスパ最高。読書は最高の娯楽だ。

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