鉱山の生活(ダレン)②
そのまま侯爵夫妻のところへ行ったら、ミカリーナとシャロンの交代に賛成してくれた。
そしてシャロンを追い出して、俺たち家族だけで侯爵家を盛り立てていこうと話をした。
それからシャロンに婚約破棄を突きつけてやった!
なんだか変な顔をしていたが、俺から婚約破棄を突きつけられやっと事の重大さに気づいたのだろう!だが今更気づいても遅い。
正式に結婚したら家から追い出してやる!
そう思って盛大な結婚式の準備をした。
ミカリーナが何度もドレスのデザイナーを呼び出し、ドレスに宝石を縫い付けてほしいだの、お姫様よりも綺麗にしてなど言っていた。
その表現はまるで平民丸出しだったが、女など可愛ければいいんだ。
結局当主として仕事をするのは俺だけだ。それにこの結婚式の費用は全て侯爵家からでる。
いくらでも豪華にすればいいさ!
……………
……………それなのに
……………それなのに!!!
結婚式でシャロンに謝らせてほしいというミカリーナの願いに、侯爵家を敵に回しては今後生きづらいだろうと思ったから最後の温情にせっかく謝らせる場を与えてやったのに。
それからだ…
当主にはなれない?
犯罪者?
なにを言っている?
シャロンが俺のことを愛しているから取り戻そうとしているんだと思った。
だからミカリーナと離婚して結婚してやるといったのに
……………それなのに
……………それなのに!!!
裁判ではすべての罪が有罪となった。
特に侯爵家を乗っ取ろうとした罪。当主であるシャロンを追い出そうとした罪。ミカリーナをいじめたと侮辱した罪。これらは特に重いとみなされた。
ちがう!!ちがうのに!!
裁判では証人が何人も入れ替わり立ち代わり証言した。
こいつらはきっと今まで俺に嫉妬していたんだ。醜い嫉妬心にかられ、罪をかぶせようとするなんて!
その中で兄が証言台に上がった
仲はよくなかったが、血のつながった家族だ。それに伯爵家の面子もかかってる。
俺たちに有利な証言をしてくれるはずだ!
…そう思ってたのに……
父さんの部屋からは有名服飾店の乗っ取りを侯爵と共に計画していたとされる手紙が見つかったと証言した。そのほかにも手紙を基に罪は事実だといった。
そして伯爵家はその場で当主交代が指示され、領地も半分以下に減らされた。
そしてあの目で俺たちを睨みながら言った。
「両親や弟が侯爵家乗っ取りを考えていたこと、大変恐ろしいことであります。それだけでなく、これだけ多くの罪。私は身内としてその恥ずかしさに耐えられぬほどです。
その罪に値する極刑のお取り計らいをどうぞよろしくお願いいたします。」 と。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます