その2. 沖縄で、天気予報は役立たない

 自分の感覚なのですが、沖縄で天気予報は役に立ちません。それで、周りの人も大体そう思っているみたいです。ただ、雨の予報はまあまあ当たります。その訳は、沖縄の気候にあるのかなと思っています。


 教科書に出てくる様に、沖縄の気候は亜熱帯気候に属しています。温帯ではなく、亜熱帯。だから湿気ている日は、湿度百パーセントなんてことがよくあります。本土から来た知人達が「俺、こんな数値初めて見た」なんて、口を揃えた様に言いますが、毎度面白いです。


 ところでその湿度なんですが、おそらく雨にも影響を多大に及ぼしています。


 本土の方がイメージする沖縄はおそらく夏であり、紅色に染まったハイビスカスが日差しを浴びて、その向こうにはエメラルドの海を湛えた白い砂浜ではないでしょうか。もちろん僕も「沖縄に住んでる人が思う沖縄は?」と聞かれたら、まずはその様に答えます。


 そう答えるんですけど、できればその後に付け加えたいのが「でもそういう天気に限って、天気が崩れやすいんですよね」という注意喚起です。


 方言に「カタブイ」というのがございまして、「片方(カタ)だけ降る(ブイ)」から来ています(方言を日常的に使っているわけではないので、絶対ここから来ているぞ、とは言えませんが)。このカタブイですが、本土だと「ゲリラ豪雨」で知られていますね。


 そんなカタブイですが、この季節によく観察できます。幸い沖縄には高い建物がほとんどないので、空を三百六十度見回せます。見回した時に妙に暗いところがあれば、その下は夜の様に曇っています。雲の下の建物や海が見えなければ、そこでは間違いなく強い雨が降っています。そんな雨も、嘘の様にすぐ過ぎ去ってしまいます。それが沖縄の天気です。


 だから沖縄でこの先の天気を知りたければ雨雲レーダーとよく見ることをお勧めします。レーダーは五分毎に更新されるので、非常に正確な予測ができます。もし旅行の際に雨に出会ってしまったら、まずは雨雲レーダーを使いましょう。


 もしレーダーが見れない場合は、雲の動きを読んでみることをお勧めします。


 空には風の動きが何層も重なっていて、見えている雲の全てが一方向には流れてくれません(たまに全てが同じ向きに流れていますが、ごく稀です)。

 

 その動きを二、三分観察してみて、一番下の層にある雲がどの方向から、どれ程の速度で流れているのかを把握すれば、この後の天気が分かると思います。極めて原始的な方法ですが、かなり有効な手段です。


 何が言いたいかというと、沖縄で雨に出会っても、そこまでがっかりしないでください。割と早めに去ってくれますし、強ければ強い程すぐにどこかに消えていきます。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る