第95話 ヤリ放題
「どうすれば仲直りできると思う?」
秋の夕暮れ時、私は英梨々にそう聞いた。
というのも、お互いにほぼ会話無しの期間が続くことやく一週間。私の我慢はとうとう限界に達したのだ。
私の言葉を聞いた英梨々は「簡単な方法がある」と前置きをする。
「千聖が告白すればいい」
「ちょっと何言ってるか分からない」
英梨々今なんて言った?告白?そんなこと出来るわけないじゃない!
「振られる自信しかないわよ」
「キメ顔で言うなし……てか、それ以外に方法はないんだって」
「なんで?」
「そりゃあ、いきなり千聖から謝ってみなよ。あそこでキスしてこない遠山だよ?なんのことか察するわけがなくない?」
「あー確かに」
ごめんね遠山くん。私も英梨々の言う通りだと思うの。
だってあれでキスしてこないのよ?もうしょうがないわよね。
「だから告白。付き合ったらキスとかハグとかセックスとかヤリ放題よ」
「ヤリ放題?!」
おっとヨダレが。
あまりにも大きいメリットについついヨダレが零れてしまった。
でも、
「告白なんてどうやればいいの……?」
「お任せあれ。私が全部セッティングしてあげるから!千聖はふんぞり返って待っててくれればいい!」
「ふんぞり返ったりはしないけれど……というか私はまだやるなんて言ってない……」
「いいややるの。やりなさい。やるべき」
今日の英梨々は何故か少し強引だ。
まあでも……英梨々にここまで言わせておいてやらないという選択肢は私の中には存在しない。
「わかった」
私はついに腹を括ることにした。
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