第81話 アソコ

「お風呂頂きました」


 僕は風呂から上がると用意してもらっていたジャージに着替え、沖矢邸のリビングに来た。


「はい、じゃあ私入ってきますね。今洗濯機を回しているのでもうしばらく待ってください」

「ありがとう沖矢さん」


 何から何までお世話になってしまった。優しすぎるよ沖矢さん。

 そんなことを思いながら僕はダイニングテーブルのそばに置かれた椅子に腰掛ける。

 そもそもなんで沖矢さんは僕にこんなに優しくしてくれるのだろう?

 ただのクラスメイトで夏休みに一緒に遊んだだけの仲なのに。


「まさかね……」


 一瞬出てきた、沖矢さんは僕のことが好きという空論をかき消す。

 沖矢さんほどの美人が、わざわざ僕みたいな平々凡々を選ぶ理由がない。

 もちろん僕からすれば嬉しい限りだが……


「はぁ……」


 僕は深くため息をつく。

 きっと考えすぎなのだ、沖矢さんはただ優しいだけ。僕が特別なわけじゃない。

 自分の考えを落ち着かせると一気に静かになる。

 するとリビングのドアが開いていたのか、浴室のシャワーの音が聞こえてくる。ということは脱衣場のドアも開いているのだろう。

 なんて不用心なんだ。僕が襲いに行ったらどうするんだ。


 まぁ僕にそんな度胸はないのだが。


 今浴室では……沖矢さんが無防備な格好でシャワーを浴びている。水着の時ですら隠されていたアソコやアソコは一切隠されていない。

 って僕はなんてことを考えているんだ!猛省しろ!


「はぁ……」


 僕は再びため息をつきながら洗濯が終わるのを待つのであった。

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