第40話 通話

 期末テストが迫ったある日。

 部屋で勉強をしていた僕のスマホが振動した。僕はすぐに机に伏せていたスマホを取り、通知を確認する。


「LINE?……って!」


 連絡主はまさかの沖矢さんだった。

 なんで沖矢さんが?!え?!え?!

 想定外の出来事に混乱する僕。もはや勉強モードから返信モードに切り替わった脳は止まらない。

 なんて返信しよう?!

 というか、まだ沖矢さんからのメッセージの内容を見ていなかった。

 僕は顔認証でロックを解除しLINEを開く。


『今、通話出来ますか?』


 うそうそうそうそうそうそうそうそうそ?!?!?!

 お、沖矢さんからつ、通話?!

 だってそんなの恋人……みたいなもんじゃないか!

 いいのか?通話なんてして。

 いやまずはYESかNOかを返信するべきだ。当然これはい……YES。

 こんな絶好の機会を逃す理由はない。

 何を話すんだろうこんな夜に。

 今の時刻は深夜十一時過ぎ。要は深夜テンションというやつだ。つまりいい感じに盛り上がれば……ってそんな甘い話があるわけないじゃないか。

 普通に、そう普通にすればいいのだ。


『大丈夫だよ』


 僕はそう打ち込むと紙飛行機の送信ボタンを押した。

 そして数十秒後、僕が送ったメッセージの横に【既読】という文字が付く。

 さらに数秒後、ブゥゥゥーブゥゥゥーとスマホが一定間隔で振動した。

 すぐに出たら引かれそうなので、五秒ほど待った後、通話を開始する。


「も、もしもし」

『もしもし遠山くん』


 電話越しの沖矢さん……!なんかヤバい!


「いきなり通話なんてどうし」

『早速ですが遠山くん』

「へ?」


 沖矢さんが僕の言葉を遮り話す。

 あれ?なんか思って……


『数学の問題集41ページの大門1の(1)について教えてくれませんか?』


 思ってんと違うぅぅぅぅう!!!

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