『異性を落とすためにはまず胃袋から』

「胃袋？」

『うん』

　ある日の夜、私は英梨々と二回目となる遠山くん攻略会議をするため、通話していた。

『いい？食の好みというのは人それぞれあるの。そこで、千聖の手料理で遠山の胃袋をがっしり掴む！』

「が、かっしり……！」

　私は英梨々の言葉に謎の説得力を感じながら英梨々の言葉を聞く。

『つまり作戦はこう！まずは遠山と弁当をシェアする流れに持っていき、自分の手作り弁当だとアピールするの！』

「なるほど。それでどうやってシェアする流れにもっていけばいいの？」

『それくらい自分で考えなさい』

　そんな事言われても……。

　そうだなぁ……

「遠山くんの弁当をひっくり返す、とか？」

『可愛い顔してえげつないこと言うな……。もっと平和的なのないわけ？』

　注文が多いなぁ……。

「それなら、遠山くんの机に細工して、弁当が滑り落ちるようにするとか？」

『それもう嫌がらせじゃない？可愛げのあるやつにしようよ』

「可愛げか……。普通にあげるじゃだめなの？」

『それが出来ないから作戦を考えてたんだけどね』

　それもそうか。

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