第30話 焦らし
あーもー!恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!!!
私ったら変な期待ばっかり!しかも勘違いだし!
「どうしよう……英梨々」
「何が」
逃げるように部屋に帰った私は、部屋の中で備え付けのテレビを見ていた英梨々を見つけると話しかけた。
「あ、告白どうだった?」
「……告白じゃなかった」
「は?」
一瞬、英梨々の顔が極悪人みたいな様相になった気がするけど……気の所為よね。
「昨日自由行動の時に看病してくれてありがとう、だってさ……」
「よし、今からあいつをシメに行くぞ」
「え、え、ちょちょっと!」
腕をぐわんぐわん回しながら部屋を出て行こうとする英梨々をどうにか止める。
「千聖はそれでいいの?!」
「う、うーん……確かにちょっと消化不良だけど……」
「よしシメよう」
だからなんですぐにシメようとするの!
「でもね……」
「でも?」
「こうやって焦らされてるのも悪くないなって思う自分がいるの」
「ソウデスカ」
英梨々は呆れたようにベッドに身を投げた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます