第26話 作戦会議②

 修学旅行二日目、自由行動を終えホテルへ帰還した私達は、夕食までの時間、部屋で過ごすことになった。

 英梨々は部屋に到着するや否や、


「それで?進展はあったの?」


 ベッドに腰を掛け足を重ね腕を組む英梨々。

 今日は英梨々にあそこまでの支援をしてもらったのだ。当然進展があったに決まってる。


「一緒にコイに餌を上げた!」

「……他には?」

「ないけど?」

「私の苦労を返せぇぇえ!!!」


 叫び終えると、はぁとため息をつきながら頭を抱える英梨々。

 私的には十分だと思うんだけど……?


「あのねぇ……いきなり付き合えとは言わないから、せめて手を繋ぐなりキスするなり、恋人風なことをしなさいよ」

「何言ってるの英梨々。キスなんて結婚するも同然じゃない!」

「千聖の方が何言ってんの」

「け、結婚?!やめてよ英梨々〜、私と遠山くんが結婚だなんて〜」

「言ってないし、気が早い」


 おっとイケナイイケナイ。

 狼狽えるべきではないわ沖矢千聖。

 一緒にコイに餌を上げたのよ?もうそれは、


「結婚したらコイを飼育しましょう!」

「どういう思考回路でそうなるわけ?!」

「そして言うの、『あの時も一緒にコイに餌を上げたね』『そうだね』って!」

「コイの責任重大だな……」


 苦笑する英梨々。

 一体何が面白いのかしら?私はを述べているだけなのに。

 すると英梨々は少々投げやりに、


「そこまで言うならさっさと付き合っちゃえよ」

「そ、それはダメ!!!」

「なんで?」


 だって……だって……!


「告白なんて恥ずかしくて出来ない!」

「羞恥心の起動場所おかしくない?」

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