第5話 心配

 絶対嫌われたし、めんどくさいと思われたし、格好悪いと思われたに違いない……。

 ダメだ!ネガティブになるな僕!マイナス思考はよそう。

 バスケの授業で捻挫した僕は夕食後、自室のベットに身を投げるとバフバフバフッ!と枕を握りしめた拳で叩いていた。

 情けなさすぎて、学校行けないよ……。

 なんて考えているとピコンッとスマホが振動した。


「誰だろ……」


 小さく呟きながら傍にあったスマホに手を伸ばし通知を確認する。


「えっ……!」


 通知には『ちさと』と送り主が表示されていた。僕は目を見開くと、すぐさまスマホのロックを開いてLINEを確認する。するとトーク欄の一番上に『ちさと』からのメッセージと『1』という数字が表示された。

 僕は恐る恐る画面をタップし、今まで一度も開いたことの無い『ちさと』とのトーク画面を開いた。

 そこには、


『足、大丈夫だった?』

「〜〜〜っ!」


 沖矢さんが、僕の足の心配をしてくれている!

 というかメッセージまで送ってきてくれた。喜びがこみあがってくる。

 どうしよう!『大丈夫だよ』でいいかな?いいよね!


「『大丈夫だよ、心配してくれてありがとう』」


 僕はスマホのキーボードでそう打ち込むと、送信ボタンを押した。

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