第4話 保健室

 どうしようどうしようどうしよう!!!

 一度状況を整理しよう。

 体育の授業が予定より早く終わったため、バスケの試合をしていた男子の体育を見に行くことにしたら、丁度遠山くんのチームの番だったんだけど、運悪く遠山くんは開始すぐに足を捻ってしまい、男子の保健委員が休みだったため、その場に居合わせた保健委員の私が代わりに遠山くんに同席することになり、今に至る。


 遠山くんが捻挫し足を引きずりながら歩く遠山くんに肩を貸しながら保健室へと続く廊下を歩く。

 こんなにも至近距離に遠山くんがいるなんてこと初めてで……自分でもわかるくらい身体が熱いし、もしかしたら遠山くんに聞こえてしまうかもと不安になるくらい心臓がうるさく鼓動している。


「沖矢さん……ごめん」

「ううん、気にしないで」


 捻挫なんて誰だって一度はなるものだからしょうがないし、もし彼が、私が迷惑してると思って言っているのなら筋違いもいい所だ。私としてはむしろラッキーである。

 ……なんて、遠山くんには恥ずかしくて言えっこない。

 そんなこんなで私は終始心臓バクバクの状態で、遠山くんを保健室まで送り届けた。


「ありがとう沖矢さん」

「うん、お大事にね!」


 そう言いながら私は遠山くんを保健室の先生に預け、保健室を背中に去る。


 なんで体育館から保健室はこんなにも近いんだろう、と学校の構造を少し恨みながら。

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