第10話 えぇ?どうして…そうなるのぉ?

「久しぶりに楽しかったなぁ。有難うございます。」

「では、早速、今、宝くじ売り場で起きた事だけを日記帳に書いてねぇ?」

「えぇ?どうしてですかぁ?何が起きるのですかぁ?」

「とにかく、私を知らずに派遣した30万円だけでも返さないとさぁ。悪くてさぁ。次に派遣する時はお互いに同意した上で呼んでもらいたいから…」

「解ったわぁ。ところで、今日は何日になるんですか?」

「確か、最後に書いた日記が3月1日(金)だから15年後でも金曜日だなぁ…という事は2020年3月4日( 月)だなぁ。」

「あぁ、有難う。」 


「2020年3月4日(月)

今日は初めて、宝くじを買いに駅に行きました。

初めてだったので、すぐに現金がその場で当たる200円のスクラッチを10枚買いました。9枚は外れましたが1枚当たりました。300…」

「ちょっと待って!金額は書いちゃだめだよぉ。逆になっちゃうから?3000円得たら、−3000円になるから損する事になるから…」

「なるほど…」

「危なかったよぉ…。まだ、文章として成立していないから消して置いてねぇ。


一方その頃…

日記推進管理局では…

「参ったなぁ…レッドが3日間もあの世界に行って戻って来ないなぁ…。」

「ブラウン?レッドから連絡あったかい?」

「いやぁ、まだですが。」

「そっか…参ったな。」

「そりゃ、室長が取扱説明書と注意事項をしっかりと伝えなかったからですよぉ。」

「いやぁ、まさかなぁ、20歳になった事を喜ぶとは思わないじゃないかぁ?」

「そうですかぁ?寧ろ、不安になったり、この先どうしよう…ってなるものだけど…」

「そりゃそうなりますけど…いきなり大金が1500万円入ると言われたら…少し、はめを外したくなりますよぉ。それが、人間なんですって。それに、次の日から仕事と言われても仕事をしてきた経験をダウンロードしていなければ戸惑いますって…」

「ガタガタ…ガタガタ…ガタガタ…」

「日記が来ました。」

「どれどれ…えぇ?レッドめぇ!早速、レッドが手を回したなぁ。」

「しょうがないですって…困っている人をほっとけないタイプですから…」

「俺は知らんからなぁ…。ちょっと、ちょっと、室長!」

「もぅ、しょうがないなぁ。この日記は修正しておきますよぉ。」

「あぁ、レッドが戻ってきたら、これからの事を話あうから室長室で一緒に話をして計画書を立てるから来てくれるかい?」

「かしこまりました。」

「さてぇ、取り掛かるかなぁ。なるほどなぁ…1日10万円の派遣料がかかる事を申し訳ないと思ったなぁ。あいつらしいなぁ。先輩からプレゼントだぁ。

2020年3月4日(月)

今日は初めて、宝くじを買いに駅に行きました。

初めてだったので、現金がその場で当たる200円のスクラッチを10枚買いました。9枚は当たりましたが1枚外れました。よし、完成。はい、送信。」

「ガタガタ…ガタガタ…ガタガタ…ガタガタ…」


「あれぇ、ここはさっき来た。駅前の宝くじ売り場だぁ。嘘ぉ!戻っている。」

「そうだよぉ。戻ってきたんだよぉ。では、続きをするよぉ。」

「現金を見てごらん?財布には確かぁ、2万円入っていて、2000円使ったから1万8000円で3000円当たったから、2万1000円なはず…あれぇ、2万円になってる。」

「そりゃそうさぁ?まだ、スクラッチを買っていない事になっているからねぇ。では、始めるよぉ。最初の言い出し覚えているよねぇ?」

「えぇ…解らないなぁ…。」

「はい、これだよぉ。メモに書いたとおり、宝くじ売り場の窓口で言ってごらん?」

「すいません、200円のスクラッチを10枚下さい。」

「2000円になります。」

「はい。有難うございます。当たると良いですねぇ?カップルさんなら当たってもらいたいねぇ。」

「もぅ、カップルさんてぇ…」

「当たったら、ランチを豪華にしてもらいなよぉ。」

「有難うございます。」

「ガリガリ…ガリガリ…えぇ、嘘ぉ。当たりだぁ。」

「へぇ、お客さんすごいねぇ?どれどれ…3000円だねぇ。」

「ガリガリ…ガリガリ…。すごい、また当たった。」

「300円だねぇ。」

「ガリガリ…ガリガリ…。すごい。おばちゃん…当たったよぉ。」

「あらぁ。すごいねぇ…ついているねぇ。30万円だよぉ。いやぁ、ビックリだねぇ。」

「偶然ですよぉ。」

「もしかして、全部当たりじゃないよねぇ…」

「まさか…そんな事ないですって。あれぇ、6枚連続で200円が当たりました。」

「まぁ、運も尽きたみたいだねぇ?」

「そんな事ないですよぉ。後1枚ありますよぉ。」

「ガリガリ…ガリガリ…。あちゃ、ハズレだった。」

「でしょ?それにしても、9枚も当たりを出すとはすごい幸運の持ち主だねぇ?」

「いやいや、いやいや、ビギナーズラックですって…」

「はい、30万4500円だよぉ。少し大金だから、彼氏さん、彼女と同じように守ってあげなよぉ。」

「そうですねぇ。」


「本当だぁ。元は取れました。有難うございます。」

「いえいえ。とはいえ、大金を得ると人は変わるから無理はだめだよぉ。」

「解っていますよぉ。」

「なら良いけど…」

「あれぇ、もう着いたのぉ?」

「そりゃそうだよぉ。私も、この世界にずっといる訳にはいかないからねぇ!では、明日、ちゃんと、バイト先に行くんだよぉ。」

「はい、今日は有難うございました。」

「あぁ、後これは私からのプレゼントだよぉ。ここの中に10万円分入っているから、バスや電車に乗れるから使うと良いよぉ。それと、スマートフォンねぇ。私の番号を登録して置いたから、困った時は連絡してねぇ…。」

「はい。何から何まで有難うございます。」

「なお、1日10万円になるから、くれぐれも派遣しないようにねぇ?」

「解ってますよぉ。緊急で本当に助けてもらいたい時だけにします。」

「では、またねぇ。」


「それにしても、夢のようだなぁ。今日の出来事は真実なのかなぁ…。」

「いたぁ。本当だぁ。」

「しかし、日記帳は変わっているかなぁ?どうなんだろう?あれぇ、日記の内容は変わっていないんだぁ。なるほど…。」

「それにしても、日記帳には逆を書くのは慣れそうにないなぁ。少しづつ慣れなきゃなぁ。幸せな事があっても、反対を書かなきゃならないのは複雑だけど…それにしても、彼氏なんて出来てこの日記帳が発見されたらどうしよう?やだぁ、何言ってるのかしら。さてぇ、寝なきゃ。」



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