実録テンペスト 〜幻聴詩やら寸劇やら〜
八壁ゆかり
【序章】「死にたい死にたい」という声を抱きながらキャベツを炒める
オイoi老いを感じる、と言うと年上からは「まだ若い」と嫌味のこもった叱咤激励を食らう
いや、問題はそこじゃなくて
幻聴ですよ
俺は十代の頃から幻聴に悩まされてきて、三十路半ばで幻覚も発症した
最近は幻聴に名前を付けている
常連さんは、
『どうしよう』さん
『死にたい』さん
『もうダメだ』さん
この三名は毎日のように俺の脳内に通い詰めてくる きっとヒマなんだろう
また、
『死ね』
『殺せ』
『撃て』
『ぶっ殺せ』
(敬称略)
といった物騒なことを戦車に乗って行進するような幻聴さんもいるので、俺は彼らを「ジェノサイド軍団」と呼んでいる
とりあえず、ここまでがデフォな
俺がこの詩集に書き留めるのは、こういった定型文句の幻聴ではなく、突如として現れるストーリーテラー、もしくは詩的表現が斬新で秀逸なもの、とても正気の自分では書けないような幻聴群だ
無論、詩作なので、多少手は加えるが、ほとんどが幻聴、俺の頭の中で鳴っている言葉だと考えていただいて差し支えない
最後に、これだけの言葉が脳内に響いてる生活ってなかなかどうして厳しいけれども、それでも俺は書き続けておるよ、というステイトメントをして序章を終える
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