29話 家族
29.家族
2人は結婚し、相変わらずの楽しく幸せな生活を送っていた。
それから2年ほどたったころ、裕子は妊娠した。
最初、妊娠した事は克己にとってまだ早すぎないか心配だったが、
最初の結婚は6年たったのに子供がいなかった。
それは彩に問題があったのか、克己が子供が欲しくなかったのか それはわからない。
もし子はいらない と言われたら、そう思うと不安でなかなか打ち明けられなかった。
ずーっと悩んでいる裕子に気づいた克己が
「裕子、何か心配事でもあるの?何かあるなら正直に言ってほしい、大丈夫僕がついているから」
「実は・・・・・」妊娠したことを告げると
克己はとても喜んでくれたのでホッとした。
愛する人の子供が持てる。こんな幸せな事はない。
これを機に、裕子は退職し、2人はマンションを購入する事にした。
克己は以前住んでいたマンションを売却したお金があり、またそれほど遊んでいるわけでもないのでそこそこ預金がある。
また裕子は一生このまま1人で過ごすかもしれないと覚悟し、それなりに貯金をしていた。
しかし克己はその貯金は将来の子供のために という事で克己のお金でマンションを購入した。
克己は裕子の実家に行きやすい場所と言ったが、裕子は子供の教育に良い場所という事で
予算をオーバーするが、千代田区の番町にする事にした。
生まれてきた子は裕子に似て、とても綺麗な顔立ちをした利発そうな女の子。
もともと克己も裕子も高学歴のそれもハイスペックな大学を出ており、
加えて、克己は大手商社のグループ会社ではあるが一応役員。
2人は子供を幼稚園・小・中・高一貫の帝都でも四天王と言われる名門女子校に入学させた。
そこに通うハイスペックな親をもつ子供達は、金銭感覚は世間ずれしている所はあるが、基本的に素直で性格の良い子が多い。
そういう環境の中、さらに両親からたくさんの愛情を注がれて育った娘は、内外ともにとても綺麗な女の子に育っている。
家族が3人になってからも。克己は家族を大切にし、3人で色々なところに出かけたりしている。
ある日 娘が興味のあるイベントがあるという事で、3人でそこに出かけた。
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