5話 離婚1

5.離婚1



彩は浮気をしていた。


相手は高校の同級生で、この前の同窓会で再会した杉田昇30歳、最近、妻がテニススクールに通うと言っていたテニススクールのコーチをしている。


むこうも結婚している。奥さんはアパレル会社の販売関係の仕事で土日勤務のため、亭主は1人自由に動け、テニススクールには、平日休み以外、ローテーションで土曜か日曜に休みを入れていた。


そいつは彩以外にもテニススクールに通う奥さんたちに同時に手をつけているようで、彩は最初はそいつの平日休みに会っていたが、それだけでは済まなくなり、土日に会って逢引を重ねていたようだ。


探偵から、キスしているところや、ラブホに入るところ、出てくるところの写真をもらい、

すでにわかっているだけで10回以上 そういう行為をしていることがわかった。


許せない。


弁護士に相談し、会社にはリフレッシュ休暇として10日の有給休暇を申請した。


当日、早めに帰宅し、普通に接していると何もないような顔で、


「今日は早いのね」


「うん、いつも通り家族サービスしようと思って、仕事が早く終わったんで、そのまま帰ってきたんだ」


「そうなの」そっけない。


ちょっと前までは それを聞いて喜んでくれたのに、こういう態度か・・・・・


そう言えば最近、ずーっとこんな感じだったな、と今になって気が付いた。


信じ切っていた、それでもあまりにも鈍感すぎるな俺。


食事が終わり、妻は1人でさっさとお風呂に入って寝室に行こうとしていたので。


「彩、ちょっと話があるんだ、ここに座ってくれないか」


「えっ、何? 後でもいいじゃない、今日は疲れてるの」


「大事な話なんだ」 


「そう、」と言ってしぶしぶソファーに座った。


「浮気してるよね?!」


「えっ」


「正直に言いなよ」


「何言ってるの?そんなわけないじゃない」 あくまでしらを切るつもりだ


「証拠があるんだ」最初はキスしている写真だけを見せた


「あっ・・・・・・これは他のママさんも一緒に食事して、盛り上がってキスしちゃっただけで何もないわよ、何言ってるの たったこれだけで」


あくまでごまかす気でいるようだ、


頭に血が上っていく、怒りがこみあげてきた。


「じゃあ これは何?」他の写真を見せたところ、ばつの悪そうな顔をして


「ごめんなさい、1回だけなの、同窓会で飲みすぎちゃって、酔って気づいたらそんな事になってたの、だからもう2度としない、信じて」


またうそをついている。


「1回?って1人の人と浮気するのは1回っていうの?」


「そうじゃなくて、本当に1回だけなの ごめんなさい」


「おかしいね、調べたら、最低でも10回は2人でラブホに行ってることが分かっているんだけど、どこまでうそをつく気なの?正直に言う気はないんだね」


「・・・ごめんなさい・・・」

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