第3話 市場と冒険者ギルド

市は日が昇ったと同時に開いたが

そこそこ忙しそうな人たちであふれている

二人も木の実にドリルで穴開けて

中身の柔らかい部分をグラム売りしてたが

喧騒前の市場の言わば売り人が買いに来て

始まる前に終わってしまった

歩いて買った人たちの売り場を礼も込めて回るが

転売している様子はない

まずまず品のいい市場らしい


市場で危険にあうことも少ないだろうと

二人は別々に行動した


もちろん冒険者レベルを持つ彼らからであって

普通の人は普通に起こりうる危険は一杯ひそんでいる


ユーリーは服を求めて

市場をうろついてた

自分のではない

歳の離れた成長盛りの妹の服だ

小さい服を着ており、ちんちくりんなので

新しい服が2枚ほど欲しいと思っていたのだ


ほどなくして子供服を取り扱ってる店をみつけ

いざ買うとなるとサイズが解らない

店の人と相談して

今の年齢より一つ上の服を買っていくことにした


ダンテは調味料類、香辛料類を探していた

特に「塩」と「唐辛子」は

どこの集落に持って行っても飛ぶように売れる

片道販売では商売としてはまだまだ半人前なのだ


こーやって売り買いを回せて初めて一人前の売人だ


だが、あえてユーリーにダンテはそのことは言わない

ユーリーは冒険者見習いでまだ何をするか決めているわけではない

ましてや売人行為は冒険者としての支度金を集めるためが理由

みなまで教えることも無いだろう


商売の秘訣には

独自の手法、独自の仕入れ先はつきものなので

それはダンテばかりでなく他の売人もそうだった


買い物が終わるとダンテは帰ってもいいのだが

ユーリーが遺跡の情報を求めていたので

この街の冒険者ギルドに顔をだした


遺跡情報を買うと

ユーリーはほくほく顔だ

何が楽しいのかはそれぞれだと思うが

ダンテはユーリーの行為がよくわからない


遺跡というものは自分の足で見つけてこその醍醐味ではないだろうか?


時代も変わったなーとしみじみ思いながら

冒険者ギルドを後にした



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