第4話 8人の冒険者
ティーノは思う
この世界の光は眩しい
もしもこの世界から抜け出せるなら
私は夜の支配者に仕えたい
そう思う私はきっと
正常ではないのだろう
興味はforestにいく
あそこの森がもしも支配できるなら
仕えるに値する者として
地獄でも迎え入れて貰えるかもしれない
でもあんな途方もなく大きなものをどう手に入れよう
キーはそこに住まう人たちだろう
自然を壊すのも守るのも人だもの
強い光を避けて
窓一つない部屋で小さな灯だけつけて
ティーノは思う
私はきっと泥沼の闇に落ちるのだと
カモーナは朝日を浴びて
ひとしきり素振りを終えて
気持ちのいい汗をかいていた
そして潔く服を脱ぐと
湖で水浴びをはじめる
割と水場を見つけると日課だった
forestに『ガレリア』という集落があった
自分が生まれた年、生まれた日に
お産が8か所あってたった一人の産婆が目を回して
自分の命と引き換えに8人の子を守った
その集落の子供は仲良しで
一緒に育ち、一緒に冒険者となった
知る者だけが知るforestのガレリア冒険者といえば
カモーナ率いるその8人だった
カモーナ
チクリ
ティーノ
アルクム
ダンテ
トワルライン
サバサ
ググ
それがforestのガレリア冒険者だ
ひとつの大きな旅路ののち
冒険者をカモーナ以外は引退した
みんな村の為にできることを
考える歳になり、村の為に働いてる
カモーナだけは冒険を続けていて
それには理由があった
冒険の末路でありがちだがアルクムが死んだ
恋人だったティーノが行方をくらませた
せめて村に連れ戻したくて
カモーナは冒険を続けている
他の皆が付いてきてくれなかったというより
他の仲間はティーノが帰った時迎え入れれるよう
留守番をしてくれているといってもいい
5人のうち誰かはガレリアに滞在してるはず
きっと大人しいトワルラインがほぼ
その役を買って出てるだろう
もともと機織りの好きな娘だったから
手がかり探しをカモーナが買って出た
一番強かったし
明日は我が身だった
あの冒険でチクリを失ってたら
カモーナが行方をくらましていたかもしれない
チクリもその気持ちは判ってくれて
傍に居たいのをこらえて
ガレリアに残ってくれている
二人で探しても良かったが
その姿を見つけた時の
ティーノの悲しみを考えると
一人の方がいいとカモーナは判断したのだ
こっちも失う時間を犠牲にしなければ
きっとティーノは納得してくれないとカモーナは思っていた
たった半年
皆と別れてそれだけなのに
カモーナの名前だけ1人立ちして
やたら世界に有名になっていて
7人はそれぞれの思いで
それを受け止めていた
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