第23章、不良達と再び
次の日から浩太の鍛練が始まった。
まず、朝起きて、ジョギング、腕立て伏せ、腹筋運動、授業が終わって道場で練習。
日が立つにつれ、体付きが変わっていき空手のほうもめきめきと上達していった。
そんなある日のことだった。
不良たちが一人の生徒に嫌がらせをしようとしていたのを、浩太が見つけた。
「おい、お前らやめろよ」
「おう、浩太じゃねえか、てめえ、また殴られてえのか。
それともこいつの身代わりでもするか」
不良の一人が浩太に詰め寄ってきて、殴りかかってきたが、浩太はその腕を片手で振り払うと、その不良は勢い余って後方に転んでいった。
「生意気な」
またほかの不良が殴り掛かってきたがこんどは、片手で受け止めたと思うと、軽くねじあげ、投げ飛ばした。
「くっそ、生意気なやつめ」
他の不良達も何度となく殴りかかるが、軽くあしらわれ、はねのけていった。
ちょうどそこに、新田が通りかかり声をかけた。
「おい、お前ら、悪い事いわねえからやめておけ。
お前らじゃ今の浩太に指一本触れることさえ出来ねえぞ」
リーダー格の不良が俺たちが浩太なんかに負けるわけないと言いたそうな顔つきで、
「新田よ、どういうことだ」
新田はまるで自分の事のように誇らしげに語った
「浩太は合気道と空手を身につけていて、おそらく今の浩太は俺よりつええぞ」
それを聞くと、不良達はすこし浩太からすこし離れ、リーダー格の不良が業を煮やして、
「生意気なやつらめ。
おい、他のやつにも集合かけろ。
こいつら二度とさからえないように、思い知らせてやる。
おい、新田、近頃のお前らにはムカついていたんだよ。
なにかと俺らの邪魔ばかりしているようだが何か、企んでいるのか。
今日という今日は我慢できねえ。
覚悟しやがれ」
そして不良達の憎たらしい言葉に新田は即座に反応した。
「おう、それはこっちのセリフだ。
いつもいつも弱いものを見つけては、お金を巻き上げたり、いじめたりしてもう許さねえ」
浩太はいじめられていた生徒を逃がすと、来るならこいという顔をして新田の横に並んだ。
「生意気な、やっちまえ」
リーダー格の不良が号令をかけ全員で殴りかかろうとした正にその瞬間、
「君達、やめなさい」
中年の男性が走って来て慌てて中に割ってきた。
「やべー、校長だ、逃げろ」
不良たちは、慌てて逃げて行った。
たまたま、学校の校長先生が通りかかり、この騒ぎを聞きつけたようだ。
「どうした君達、何をしている。
きみは新田竜司に、今井浩太くんだな、こんな所でなにをしている。
とりあえず学校にはいって校長室で話を聞こう」
三人は無言で学校の門をくぐった。
次回、第24章、不良達の処分
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