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高い塔行バス


木の床の埃を雨の靴跡で落ち着かせ

溜め息で作られたブラインドを指で切り抜く


軋む車体

バス停は無限


いつしか雨が上がり

洗われた青空に高い塔が聳える


いくつバス停を過ぎても

高い塔は近付かない


100個目のバス停に立ち

乗り込まずにバスを見送る子供は

選ばれなかった僕だろうか


早く、早く、あの高い塔へ

僕は行かなくてはいけない

高い高い塔の天辺に住む鬼を助けに

預かった言葉を伝えに


忘れないようにその言葉だけを繰り返す

正確に伝えられるように


泣いているかもしれない

だから

早く、早く、あの高い塔へ


走れ、高い塔行きバス

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