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煮えてゆく鍋を眺めて、

鍋底から沸き上がる音を聞いて、

湯気で曇った窓をちらり見て、

現実感が消えてゆく。


どうせ一人で食べるから、

何を入れよう?

好きなもの嫌いなもの、

スープが染みれば美味しくなるから、

何でも入れてみよう。

好きな野菜、

嫌いな野菜、

好きな魚、

嫌いな肉、

好きな曲、

嫌いな歌、

好きな本、

嫌いな絵、

好きな猫、

嫌いな人、

そして仕上げに大好きな自分。


煮えてゆく鍋の中、

世界は美味しくなってゆく。

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