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雨に溺れる夢をみた

見上げる水面にはいくつもの波紋

円が蓋をして僕の顔も映らない


踏み込んだ一歩はとても深くて、もう戻れない

雨の匂いは暗号を解くヒント

早く早く

思い出して、声に出して

息をするように

歌うように


境界に手を触れる

掌に吸い付く水の膜

あたたかな衣に包まれて

沈んでゆく


不規則な滴の音

瞼に積もって


踏み込んだ一歩はとても深くて、もう戻らない

雨の匂いは記憶に沁み込んで

新しいうたを作り出す


雨に溺れて

眠ろう

沈もう

歌おう


引き返す一歩は、何処にもないから

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