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もうすぐ、フィナーレだ。
どんなお楽しみが待っているんだろう。
おしまいの日の、前夜祭。
縁日みたいにいろいろな夜店が並び、子供達は綿飴やべっ甲飴、カルメラ焼き、色とりどりのソォダ水を小さなコインで手に入れる。
明日には尽きる金魚達を水中からすくい、ひとときだけの所有権を得る。
花火を上げよう。
きっと世界は、楽しいまま終わる。
どうせ終わるなら、少しくらい壊してもいいでしょう?
何も残らないよ、きっと。
全部なくなってしまったら、その中で、僕は眠りに就こう。眠りの中で、過ぎ去った幸福を反芻しよう。
未来のことは、目が覚めてから考えればいい。
いつか、さいごの日に、一緒に、何もかも全てを壊そう。全部壊してしまおう。
次の始まりの為に。
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