ゲームの話 その2

 先週、ついにリサイクルショップで中古の3DSを手に入れた。

 元々は某フリマアプリで購入する予定だったのだが、一度実物を見ておこうと思ってリサイクルショップに出向いたら、うっかりそのまま買ってしまった。3DSではなく後続のNewとつく方で、色はメタリックブルー。かなり綺麗に使ってあって、傷らしいものもほとんどない。お値段は税込一万二千円。

 帰ってきてから、早速充電して使ってみることにした。充電中のランプが正常に点くことにさえ感動である。充電がフルにならないうちに電源ボタンを押す(気が早すぎる)。ここでも正常に設定画面が表示され、順調に設定が進んでいく。自宅のWi-Fiの登録は後回しにする――スマホのゲームならまだしも、今さら3DSで通信して遊ぶ友達いないから。

 設定が完了すると表示される、懐かしい待ち受け画面(昔なぜか友達とそう呼んでいた)。準備していた某村長になれるソフトをスロットに入れる。くるくる回る地面(?)の上を犬をモチーフにした村長秘書の可愛いキャラクターが走っている。迷わず「はじめる」ボタンを押した。きっと村は雑草だらけなんだろうな、家には絶対Gいるな、手紙がありすぎてポストがおかしくなってるんじゃないか、好きだった住民が引っ越してないといいな、もしかして村にラフレシアとか咲いてたりして――そんな不安がよぎる中、懐かしいBGMと共にゲームが始まる。


 いろいろあったが、重要な部分だけかいつまんでここに記したい。

 まず、ポストはなんともなかった。ポストは十通までの手紙を入れられることになっていて、満杯になるとおかしくなる。しかし、うちに届いた手紙は、郵便配達員のキャラクターが届けに来てくれた一通とポストに入っていた六通のみ。何の心配もいらなかった。

 次にG。いた。全部潰した。以上。

 続いて雑草。めちゃくちゃ生えてた。はじめに村を一周する間にあらかた毟ってきたが、あまりにも生えすぎてナマケモノモチーフの園芸店店長が広場で草むしり大会を開こうとしていたらしい。ラフレシアはなかった。

 そして住民。多分誰も引っ越してない――はず。正直に言うと、特に好きだった住民以外ほとんど覚えていないのでよくわからない。

 あと特に考えていなかったが、髪型。ボサボサだったのでヘアサロンでもとの髪型に整えてきた。

 そして、私にとって最重要事項だったのが自宅増築のローンである。郵便局のATMで確認したところ、まだ十数万残っていた。急いで村へと戻り、虫取り網を片手に村を駆け回って虫を捕まえ、持ち物欄が一杯になったらアルパカのキャラクターが営むリサイクルショップでそれを売る。今度は釣り竿を片手に川と海とを行ったり来たりして魚やらカエルやらザリガニやらを捕まえ、今度は踏切の先にあるタヌキのキャラクター兄弟が交代で店番をするホームセンターへと売りに行く。途中で木を揺すってお金を拾ったりハチに襲われたり、石を突いてお金を拾ったり鉱石を見つけたり――それを何度か繰り返して、とうとう手持ちが九万ベル(ベルはお金の単位)に達した。まるっとローン返済に充てた。ローンはこの三日後に無事完済したのだが、早々に部屋の増築をしたのでまた返済地獄を繰り返している。


 この報告が遅れたのは、単に久々にやったゲームが楽しすぎたせいである。


 ちなみに、私はすっかり忘れていたのだが橋を建設する公共事業をやりっぱなしの状態になっていた。六年経っても完成していないとは……、と思ったがそういうゲームだから仕方ない。再び虫や魚を捕まえて、一万ちょっと寄付してきた。

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