九種:カミソリのように鋭い哲学者キャラ

 

 「概要」

 九種と十種は骨盤を基にした開閉型で、中でも九種は骨盤がきゅっと締っています。そしてとにかく一つのことに対して興味があると物凄い集中をするのですが、興味のないことに関してはからきしという具合で、まるで一かゼロかの二進法のような人格です。

 その集中の速度が速いことに関連してか様々な行動も早く、そして考え深くあります。また普通の人でしたら何年もかかって作る心のしこりのようなものを、集中が早いのですぐ作ります。例えば普通の人なら毎日悪口を言われ続けて数年たつと執着ができますが、九種はもう二、三日言われただけでさっと執着が固まってしまうのです。

 そういったところから、とにかく九種は速度が速くて集中力が強い、カミソリのように鋭い人間です。九種の人は感情ばかりか眼光も鋭く、キリっと睨むと五種も七種も怯むくらいの、異常な恐ろしさを醸し出します。こうした鋭さや行動・考えの速度は全体癖随一といっても差し支えないでしょう。



 「身体的な特徴」

 九種は体格が小柄な場合が多く(もちろん大柄な人も存在します)、また骨盤は下の方がお尻側に引っ張られているので、前から見ると少し小さめに見えるのですが、一方お尻を横から見るとプリっと上に上がった形をしています。骨盤が閉じているので歩くときも足の親指側に力が入ります(十種は開いているので外側に力が分散される)。その為九種の人の靴底を見ると、親指側が擦れているという、あまり見られないすり減り方をしているのです。

 そのほか人体のパーツを見てみると、九種の顔は小顔で、目鼻口などが中心によっています。小顔で肩幅も狭いために小柄という感じがあり、また股関節から膝まで――つまり足の上部分が下よりも長いとか、腰の反りが強い特徴があります。野口氏は九種を脱がせると見た目以上に筋張って立派な体をしているといっていますが、そこからもわかるように、九種は性格だけではなく体格も集中しているのです。

 そのほか、九種は骨盤が閉じているからか縮こまるのが好きです。よく言われるのは和式便所に座るポーズで、ああやってかかとをつけながらお尻を浮かせて座ると骨盤が閉じた九種にとっては筋肉が弛緩してリラックスできるのです。だから狭い場所に潜り込みたがりですし、寝る時も胎児のように丸まって寝ると安心できます。恐らく骨盤が閉じているからでしょうけど、普段もよく足を組んでいるのは九種だと思われます。

 九種は骨盤と筋肉が強靭なので、生殖器もまた非常に強くなっています。生殖というのはもちろん性欲にも絡んできますが、また一つ高次的な感情「愛と憎しみ」も非常に骨盤と密接です。それゆえ開閉型の思考軸は「愛憎」です。三種の「好き嫌い」と少し似ていますが、その辺はおいおい説明しましょう。

 骨盤が強いからか、九種はどの体癖よりも年を取るのが遅くて若々しく、精力も強いのです。これの対局を行くのが捻れ型で、七種八種は何故か老化が早いといいます。さらに言えば、九種は年を取るにつれて小さく縮んでいきますが、やはりそのしっかりした体は顕在します。なお、上下型は加齢ともに背が高くなっていく例外です。



 「心理的な特徴」

 まず九種はとにかく集中が早く強いので、物凄い勢いで物事に没頭し、そしてなかなかそれを辞めることがありません。飲食も忘れて趣味に没頭するのは九種的な特性です。確かに一種も学者に向いていますが、こちらの場合興味が概念とか抽象化なので、それがすんだら少し違う分野に転向するかもしれません。でも九種の集中力と持続力は並大抵のものではなく、興味があるというだけで一つの狭い物事に対して十年二十年単位で取り組みます。

 しかしその集中特性は感情にも表れるので、九種の確執ともなると非常に強く、もし九種を相手に浮気などしたら、必ずひどい復讐に対して備えなければなりません(笑) それに人に対して言う言葉も無性に厳しいので、とげとげした印象があります。

 一瞬で感情が強烈に塊り、そしてそれが非常に強い「現実感」を持っている上に記憶力もあるので、九種には過去の記憶というものがありません。全て現在なのです。十年前も一年前も同じ。常に記憶を、同じリアリティをもって味わっているのです。

 集中が強いというのは何事も溜め込むことが得意なので、その執着が物に向かうと収集癖があります。切手とかコインとかですね。だからここまで読んできて気付いたかもしれませんが、オタクと言われる人たちは圧倒的に九種的なのです。続いて一、二種的。ただやはり「限界オタク」とか言われるようなかなりオタクや、専門家顔負けの知識を持ったオタクはやはり一、九種でしょう。二種はライトなオタクに多いです。

 九種は集中の速度も早ければ、そもそも行動自体もテキパキと早いです。歩く速度も、五種であれば「時間がもったいない」ということで早いのですが、九種は何かこう心の内から早いというか、せっかちな印象があります。十種はゆったりです。


 九種の頭を覗き見るとこれまた厄介で、一言で言えば考え深いのです。ただ五種や捻れ体系の「計算高さ」とか、一種二種の「理詰め」ではなく、「なぜそうなのだろう、どうしてこうなるのだろう」と哲学的に考えていきます。例えばリンゴが体にいいという情報を得た時、三種は好きなら食べますし、五種はリンゴが安く、尚且つ欠点が無ければ食べるでしょう。上下型は理屈がわかれば納得をするものです。でも九種は、

【なぜ人類はリンゴを食べるのだろう。リンゴが体に良いとして、私はそれを食べて何をしたいのか。そもそも健康にいいというのは長寿になりたい人が言うものであるが、果たして様々な病気を持ちながらその上生きながらえたいだろうか】

 みたいなことをねちねち考えます……。もし普通の会社の部下だったら非常に扱いづらいことこの上ありません。二種も思考に陥りやすいのですが、あちらは一つの物事に対して深く考えるのに対して、九種は広い範囲に対して「なぜ」の観点で考えていきます。

 ちなみに七種八種も捻れているので素直に人の言うことを聞きませんが、彼らは実感があれば納得します。「転ばないように」と前もって言っても反発しますが、転んだ後になって「ほら転んだら痛いでしょ」と言われればわかるのです。


 九種は骨盤と生殖能力が強いのですが、これによって「愛憎」の感情が行動の軸になっています。左右型の「好き嫌い」と違うのは、これが単純に感情なのに対して、愛憎というのは感情と自分の納得した考えというのが組み合わさっているという点が違います。

 そしてやはり九種は集中の体癖なので、愛情も何か少数、あるいは一点に集中します。それが人であれば一途、物であればオタクとなります。ちなみに十種はそれとは反対で、たくさんの愛情を受け入れると認めた大勢の人に振りまいていきます。でも十種は人間が対象なのに対して、九種は動物でも無機物でもいいのです。だから収集癖があり、あるいは極端に動物が好きなケモナーにもなりやすいと思われます。

 九種は骨盤が強靭=性欲が強いということには一概には言えませんが、ただその傾向はあると思います。それが性欲となることもあれば、あるいは過剰な性エネルギーが尋常ではない集中力に向かうこともあり、それが九種の原動力になっているのかもしれません。



 「キャラ造形」

 集中する力が異常なほどに強くとことん追求する九種は、まさに無愛想だけども物を作らせればピカイチな職人キャラです。あまり会話は得意ではないから弟子に「見て覚えろ」と言って、必ず贔屓にする一番弟子がいるものです。

 あるいは「なぜそうなのか」と考える特性があるので、例えば普通に暮らしていても他の人はあまり気付かないような「男女不平等」に意識が行きやすいです。そのため批判家、思想家キャラとしても優秀です。学者になれば奇抜な切り込みの発想で新たな発見をするかもしれません。もしあなたの作品に天才キャラを入れたければ、多少たりとも九種体癖があるほうが箔がつくこと間違いなし!

 或いは九種は自分にある愛を非常に濃く、少数の人に対して与えるので、非常に一途だけど裏切ったら怖いヤンデレキャラも九種ですね。

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