五種:勇敢だけど常に不安と戦う騎士キャラ


 「概要」

 前後型である五種はとにかく動きます。動かないと何が何でも頭が働かない。考えながら動くのではなく、動くから考えられる、と言った方が正しいようにすら思えます。とにかく行動的と言って差し支えありません。もし授業中とか会議中に尋常じゃないほどの貧乏ゆすりをしまくる人がいたら、その人は五種の傾向があるといえます。

 五種はよくアメリカ人的な体癖と言われます。割り切りの良さとか行動力のあるところがそういわせるのです。例えばフェイスブックの創始者、マーク・ザッカーバーグ は、「完璧よりまず終わらせろ」という名言を発していますが、これこそ五種的な感覚で、日本人的な一種二種であればどうにか完璧に持っていきたがる。でも五種は現実主義なのでとりあえず完成させる。現実的に考えて、いろいろバグとか欠陥などすら割り切って、何が何でも完成するのが第一なのです。



 「身体的な特徴」

 上半身が逆三角形で、四肢は比較的長く胴は短い――つまり上半身がとてもたくましいのです(下半身がたくましいのは七種)。全体を見ると腰から曲がった前屈姿勢で、肩が目立ちます。逆に腰は細いのです。ちなみに男も女も皆五種であればたくましい体つきになりやすく、特にあまり筋肉がつかないはずの女性でも、五種はかなりムキムキになるのです。なお、顔は猿顔っぽいです。

 内蔵的な面では特に呼吸器がめっぽう強く、ここからも行動的であるという印象がありますね。だから五種が好む運動はだらだら緩急のないヨガとかマラソンとかではなくて、水泳のような、息を吸って一気に吐くというメリハリがあるものを好みます。だから声を出すときも大声ですし、物を食べる時もできるだけ呼吸器を使いたいので他の人と滅茶苦茶に喋りながらをかきいれます。これを書いていて思いましたが、麺類(特にうどん)はまさに五種の大好きな食べ物ですね。ズズズっと勢いよく吸えますし、麺が太くて多ければ多いほどその快感は大きいですから。

 また三種と同じようによく食べるのですが、別に胃が特段強いわけではありません。その割には腸が弱く、かなりの割合で下痢をしています。



 「心理的な特徴」

 五種はとにかく行動的で、そして冒険的です。ではそれは何故かといえば、実は五種の中には常に不安や鬱屈した感情があり、それが怖さを生むからで、五種は無意識にそれを克服しようとして行動するのです。だから常に若干前のめり(臨戦態勢)になり、肩で風を切るように歩いたりします。上半身で動く人種なのです。逆に言えば不安やストレスがあるとバリバリ働く有能な人なのに、安定すると途端に行動できなくなって無能になってしまいます。

 また、常に不安にさらされながらの行動というのは裏返せば、五種が「常に計算をしている」ということを意味します。とっても打算的で、そして悪く言えば自己中なのです。この打算的というのをまた違う言葉で言えば、彼らはあらゆる体癖の中で最も現実的といえます。三種四種のように感情的に考えず、また一種二種のように頭でっかちになりすぎず、七種八種のように勝ち負けにこだわりません。感情は常に不安と戦っているので皆無ではないのですが、その管理が非常に巧みなので他人が見れば非常に冷酷ともいえるような判断も下すことができます。なお、タガが外れるとやっぱり物凄い勢いで感情が出てきますので、小説ではそのような描写もいかがでしょう。


 そのほか、五種は物事を多角的に見ることができるのですが、それは一つの視点に対して深く入り込めないということでもあり、趣味などもすべて「広く浅く」になります。こういう特質はディベートとか経営などには向いているのでしょうけれど、長年のじっくりとした鍛錬が必要となってくる修行や創作にはあまり向いていないかもしれません。たぶんもし五種が小説を書くとしても自分で世界観を深堀していくSFやファンタジーはこのまず、現実世界を舞台にしたものを書くのではないでしょうか。

 五種は行動的・冒険的ですし、その逆三角形型の体格からもわかるように攻撃性があります。しかしそれは内に秘めていて、七種のように全面的に前に出すようなものではありません。五種の勝負したい気持ちというのはやはり自らの弱さを「強さ」に変えるのが目的なので、相手はどうであれ、勝てばいいのです。赤子の手をひねって買ったことにしても全く悪い気はしません。一方の七種はとにかく「一番」にしか価値がないとみているので、弱い相手と戦っても面白くありません。あるいは勝負に関して七種が相手を必要とするのに対して、五種は必ずしもそうではありません。自分に対しても戦いを挑めます。例えば自己ベストを塗り替えるとか。七種は相手がいないと全く萎えてしまいます。

 


 「キャラ造形」

 五種キャラはその行動性・体の逞しさからスポーツマンや戦士、騎士に向いています。さらに言えば七種と違って常にある不安を基に内なる自分に対して戦いを挑んで修練することもできるので、やはりファンタジー世界の傭兵とか、騎士のキャラが最も似合っていると思います。

 現代に置き換えれば、とにかく行動的で文武両道、さらに行動的で常に皆の注目を集めるという点で、スクールカースト最上位のイケイケ学生キャラも非常に似合います。先ほども言ったようにそうした行動は全て不安からきているので、その不安を誰か(例えば世話好きな十種など)に支えてもらう物語も素敵でしょうね。

 他には超優秀なビジネスマンキャラもいいですね割り切りがよく、感情管理がうまく物事を多角的に見ることができるのですから、実業家にすらなれそうです。逆に考えれば、敏腕実業家が純粋な一種二種とか言うのは考えられません。彼らは現実よりも思考・理論を重んじるあまり、現状を見ず非現実的になってしまいますから。

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