織姫様と彦星様のディスティニー～お隣さんのクラスメイトは……生活力皆無…？～〈1000pv大感謝！〉

第25話 可愛いは爆発だ

　唯音はお泊りに必要なものをとってくるため一旦隣の部屋に戻った。

（いやいやいやいや健全な男子高校生が自分の家で彼女でもない女子高生と泊りだなんて、そこはかとなく犯罪臭が漂ってる…。）

　そこまで考えた俺は寝間着などを持ってきた唯音の姿を見て思考を放棄した。

（……唯音可愛いなあ…。あれ俺なに考えてたっけ？まあいっか！）

「遥眞…。その…お手柔らかにね…。」

　自分のことをじっと見てる俺に対して何を思ったかそんなことを言い始めた。

「えっと…？」

「いや…あの…ちが…。」

　またも自分の勘違いに気付いたのか顔を赤くしてアワアワしている唯音。

　対する俺も、さっきからなんかふわふわしているような地に足がつかないような気持ちになっていてちょっと間違いを犯しそうで怖いですはい。

「え…えっと唯音…。その…ベッド使っていいよ。俺ソファで寝るから…。」

「う…うんありがとう…。」

　気恥ずかしさからかお互いに話題が見つからず、しばしの沈黙が場を支配する。

「あ…あー。唯音。お風呂沸かすからお先に入ってどうぞ。」

「う…うんありがとう…。」

　さっきから同じ反応しかしない唯音に不信を覚えてちらっと横目で見ると…。

　とっくのとうに限界突破していた。

「おーい唯音ー。大丈夫かー？」

　こくっこくっ。

　まるでうなずくことしかできない人形のようだ。

　どうしたもんかと悩むものの、ちょうどお風呂が沸いたというアナウンスが流れてきたので、ここぞとばかりに唯音をお風呂に押し込み一息つく。

（なぁんでこんなことになったんだろうなあ…。やってること同棲中のカップルやんけ…。でもなあ唯音に限っては…。天然のなせる業といわれても納得できちゃうのが怖いな…。）

　一回これはガチなのか天然なのか聞いてみようとは思ったのだが小心者の俺としては、聞くとなんか関係が壊れちゃいそうで聞けなかった。

「お風呂お先にいただきました…。」

「お…おう。」

　がらっと洗面所の扉を開いて出てきた唯音はかわいらしい感じの淡い水色のネグリジェに身を包みホカホカの湯気を身にまとっていた。

　まだ乾かしていないだろうその髪は湿っていて、普段からは想像もできないほどの色気が漂っている。

「は…遥眞…。この寝間着…どう…？」

「か…可愛いんじゃない…？」

　あまりの衝撃に言語化がうまくできずありきたりな言葉を言ってしまう。

　だが、唯音はそれでも満足そうだ。

「髪を乾かすのはあそこで…。」

　見とれてしまった気恥ずかしさをごまかすように勢いよく振り向くと俺はドライヤーが閉まってある棚を指さした。

　俺もお風呂に入ろうとしたけど…まだ女子と付き合ったことのないDTの俺にはちょっと女子の入った後のお風呂というのは刺激が強く…すこーし時間をおいてから入ることにした。

（唯音のお風呂出てきた時の姿…その…エロすぎん…？それとも俺が煩悩まみれ過ぎなのか？）

　どんなに偉大な哲学者も真っ青の難題である。

　少なくとも俺にはそう感じられた。

　何とか落ち着こうと俺はソファに深く座りなおし、悠真に電話をかける。

『はーいもしもしー！遥眞さー今日休んでたけど大丈夫なん？』

　しょっぱなから心配してくれた悠真はやはりいいやつである。

『うん。ちょっと立て込んだけど…もう大丈夫。そんなことよりさいまから少しあのゲームしない？』

『えっ？遥眞から誘ってくるなんて…明日は雪か？』

『やらんのならいいや。』

『うそうそ。今から配信しようと思ってたけど出れる？出れるならやろうぜ！』

『えー配信は出たくないからいいや。その代わりお前の配信見てるわ。』

『おっけ。じゃあ今日は気合入れようっと。じゃあな！』

『おうがんばれ。』

　俺はキッチンから特大のポテチの袋とキンキンに冷えたジャスミン茶のペットボトルを持ってきてソファの前にある小さな丸テーブルに置く。

　俺なぜかいくらポテチ食べても太らない謎の体質なのだ。

　そして、今誰でも知ってるような配信アプリ『showbox（ショウボックス）』を開き悠真のチャンネル、『悠ノのお部屋』へ行く。

『はーいよいしょー！どうも悠ノでーす。』

　お決まりのあいさつで始まる悠真の配信。

　俺はポテチとジャスミン茶を片手に視聴する。

（ポテチはうまいし…ジャスミン茶最高だし…。ん？このいい匂いなんだ？）

　ポテチとジャスミン茶のあまりのおいしさに俺の鼻がおかしくなったのか。

　甘いようなそれでいて深いいい匂いがする。

「これって悠真～！？悠真の配信初めて見たかも～！」

「おわああああ！」

　耳元で突然声がした。

　気づいたら気配もなく隣に来ていた唯音。

　小さいスマホを見るためか体を寄せてきていて密着していた。

　先ほどからのいい匂いの正体は唯音であった。

「？なんでそんなに驚いてるの？」

「いや気配もなく隣に人がいたらふつう驚くでしょ！」

「え？遥眞に声かけたけど～？」

「さいですか…。」

　一度意識してしまったらちょっと悠真の配信に集中することができなくなってしまった。

　しかし唯音はこちらの気も知らず悠真の配信を楽しんでるようだった。

（これはもう…俺唯音のこと…。）

　ふと浮かんだ…恋という字。

　そんなわけないと自分に言い聞かせても頭から離れなかった。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

筆者から

　復活しました！また頑張って投稿します！

　どうでもいいんですけど…ゲームのガチャ120連大爆死がメンタルにキてます。

　(´;ω;｀)

　なんで当たんないんじゃああああ！(魂の叫び）