第24話 仲のいい友達でもするよね?(意味深)

  実は犯罪の証拠に関してはだいぶ前からとってあったりする。


 というのも、最初に監禁されたときに あれ?こいつの犯罪記録取っておけば後々交渉材料に使えるんじゃね? なんて思いついたからだ。


 それからというもの、服に超小型隠しカメラをつけてみたり、ボイスレコーダー隠し持ってみたり、GPS仕込んでみたり、といろいろやってきた。


 ほかにも、見つけた賄賂等の書類の写真を撮った時や、どうやら横領まで手を付けてたらしい、帳簿を見つけた時には本当にあいつがやばいやつなんだなと再認識した。


 そのうえ、曳地さんの娘もどうやらまだ西彦寺本邸にいて、監禁していることがわかった時の衝撃と言ったらもう本当にこいつ現代日本の闇だななんて思った。


 さて、犯罪の証拠をほぼそろえ終わった。


 後は俺が上に立つのに文句が出ないほどの成績か何かを修めればいいだけだ。


 今までテスト等はほどほどに頑張ってきたが、次からはどんなテストも本気で臨むことにする。


 そこまで準備を終わらせて、俺は自分の家に帰っていた。


 まだあたりは明るかったが、既に7時を回っていた。


(あぁもう夏だなあ。)


 夏は嫌いである。


 暑いし、汗かくし、虫いるし、虫いるし、虫いるし。


 とにかく夏は嫌いだ。


 疲弊した体に鞭打って何とか歩く。


 ふと、前を見ると…なんと唯音が歩いていた。


 しかしなんだか…なんというか生気がない…?


 心配に思った俺は唯音に声をかけた。


「おーい唯音!」


 すると、すごい速さで振り返った唯音はこっちをじっと見ると…目をウルウルさせて…抱き着いてきた!?


(ど…どうしたんだよ?何かあったのか…?)


「遥眞!大丈夫!?私が守ってあげるからね!}


 まったくもって話が見えない。


 何とか落ち着かせて話を聞くと…唯音は俺がすごい冷たい顔をした女性に連れてかれるところを目撃してたらしい。


 ある程度俺の家庭事情を知ってるので何か父親に干渉されたのか…?と疑ったところに、今日俺が学校を休んだ(休まされた)というファクターが絡んでそれはもう心配してくれたらしい。


 お母さんと亜美以外にも心配されたというその事実が…なんだか俺の心を温めてくれるようで感謝の気持ちを込めて俺の胸で泣いている唯音の頭をやさしくなでた。


 しかしこれでは帰れないので、まだ少しぐずぐずしている唯音をなだめて一緒に帰る。


 二人並んで帰っていると、唯音がもじもじし始めた。


「どうした?そんなもじもじして…。」


「遥眞…。その…。」


「ん?」


「て…手をつなぎたいなって…。」


「そんなことかいな。肝試しの時めっちゃつなぎまくってたじゃん。ぜんぜんいいよ。俺も唯音だったらいやじゃないし。」


「本当!?」


 途端にさっきとはうって変わってイキイキし始めた唯音がそっと…大事なものに触れるように柔らかく優しく俺の手を握ってきた。


「えへへ…。」


 唯音は可愛さで人を殺そうとしているのかってぐらいに可愛かった。


 恥ずかしいので言わないけど…。


 俺も唯音をしっかりと唯音の手を握り返す。


 歩いているうちにだんだん御馳走したい気分になってきた(?)ので、唯音にきいてみたいと思う。


「なあ唯音。」


「なに~?」


「今日の夜ご飯さ、もう食べた?」


「まだだよ~。え?もしかして!?」


「おう、俺はもう食べちゃったけどなんか唯音に作ってあげたい気分になってきちゃって…食べる?」


「遥眞もう食べちゃったのか…。でも食べたい!」


「わかったよ。」


 家に戻ってきた俺は唯音のために腕によりをかけてご飯を作る。


 さっきまで感じていた疲労は唯音にあった途端吹き飛んだというのだから我ながら単純だなと思う。


 おしゃれな料理を作りたい気分だったから、鮭と野菜のイタリアン炒めに、カプレーゼ、切ったフランスパンにオリーブオイル、あとかぼちゃのスープ。


 結構凝ってる料理を出した。


 唯音は幸せそうに食べていて、見ているこっちもなんだか幸せになってくる。


「ごちそうさまでした。」


「お粗末様でした。」


「ね…ねえ…遥眞…。」


「ん?どうしたそんなにもじもじして?」


「その…今日は一緒に寝たいなって…。」


「一緒に寝たい…ふんふん………えっ?」


(頼む!聞き間違いであってくれ!)


 なんだかおそろしい、悪魔のワードが聞こえた気がしたがきっと気のせいだろう。


 さすがにそこまでは…。


「だからその…一緒に寝たい…なって…。」


 言っていてだんだんやばいことに気が付いたのか、語尾が小さくなっていく唯音。


一緒に寝たいって…そんなばなな…。


当たり前のように断ろうとして口を開く。


「おう、いいぞ。」


ん?俺今なんて言った?


「え!?いいの!?」


「いいよ。」


あれれ?なんかいいって言ってない?


気づいたら了承していた。


凄い自業自得だけど…今更断ったら明日っから唯音にどんな顔をして会えばいいのかわからなくなる…。


本当に仕方なく…唯音が家に泊まれるように準備を整えるのであった。


いや、嬉しいとかは少ししか思ってないょ?


本当に本当だよ?


仲のいい友達でもお泊まりするよね?(錯乱)



____________________


筆者から


明日ワクチン打って恐らく結構副反応でて1週間ぐらい書けないかもしれないです


ワクチンコワイコワイ(∩´﹏`∩)((((;゚;Д;゚;))))カタカタカタカタ





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