第4話我が家(1人暮らし) そして実は…
そんな感じで亜美と俺の友達ズの挨拶が終わり、仕方なく、本当に仕方なく皆を俺の家まで案内する。
ここにいる5人は全員俺の家に来たことがあるので特に苦もなくすいすいと家にたどり着く。
現在、俺は一人暮らしをしている。
というのも、高校に上がる時に一人暮らしさせて下さいと親に頼み込んだのだ。
そして、仕送りをもらいつつとあるバイトをやって生活費を稼いでいる。
「お邪魔しまーすー!よし遥眞!大戦闘クラッシュシスターズやろーぜ!」
「いやいや遥眞ここはテトルスで勝負しない?」
男子どもはもう早速押し入れからゲーム取り出してきて誘ってくる。
(何で、ゲームの場所わかんねん。隠しておいたのに…)
「遥眞〜お姉ちゃんたち本借りるよ〜!」
女子たちはなんと全員本が好きなのである。
あの千春までもが…というのも千春はとっても成績が悪い。
常に学年下から20位以内にいるという不名誉な順位をキープしているのだ。
その千春の最苦手教科は現代文である。
(なんで本好きなのに現代文一桁とるんだろう?)
学者も真っ青の難題である。
「なぁ遥眞ぁ大戦闘やろーぜー。」
「いやいやテトルスやるよね?」
こいつらまじでうるさい。
(つついてくんな、くすぐってくんな、叩いてくんな!)
「あーじゃあ今日は大戦闘やろーかなぁ…」
「まじで!?やりぃ!よしそうと決まったら早速やるぞ!」
「ならテトルスは次にお預けだね。」
大戦闘というのはゲームの一つでキャラを選んで人やCPUなどとアイテムを使いながら戦うゲームである。
テトルスは落ちてくる色んな形の手をはめて、一段全部埋まったら消えて点が入るゲームである。
「おらっ喰らえ暁人!俺の必殺!ってうわぁぁぁやめろ暁人!お前に人の心は無いのか!いだいいだい!」
(悠真は相変わらず騒がしい。)
「ちょっと悠真うるさい!こっち静かに本読んでるの!」
姉御が怒っている。
「何か面白い本あったか?」
「えぇこの『転生しなくてもバクテリアだった件』っていうの本当に面白い!」
「いやライトノベル読んでたんかい…。」
(本を読むなんて殊勝な心がけだなぁなんて思ったさっきのおれを殴りたい…。)
「おーい遥眞ー?お前の番だぞ?お前と暁人。」
「あぁ了解。よし暁人久しぶりに一戦やるぞ!」
「今日は負けないけどね。」
そんな感じで男子はゲーム女子は読書をしながらおしゃべりしてたら日はあっという間に過ぎていく。
「じゃあ夜になっちまうしそろそろ解散しようぜ!」
「そうだなじゃあまた明日だな夜更かしして寝坊すんなよ。じゃ、ばいばい。」
「おう!おつかれ!」
と、悠真。
「お疲れ様。」
と、暁人。
「今日は楽しかったよー。」
と、千春。
「おやすみ!お兄ちゃん。」
と、亜美。
みんなを送り出してから一息つく。
(よーし夜ご飯作って食べるか…。今日は何にしようかな………)
「遥眞〜お腹すいた〜。」
「なぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
この時が人生で1番驚いたと言っても過言では無い。
皆は送り出したが、そうまだ唯音がいることをすっかり忘れていたのだ。
というのも…俺がバイトをしていると前述したのことを覚えているだろうか?
そのバイトというのが…有名小説家で生活力皆無(…)の幼馴染、機織唯音の身の回りの世話である…。
このバイトなんと出版社公認というか担当編集さんに土下座されそうな勢いで頼まれた。
あの時の編集さんのやつれた顔といったら…きっと唯音の生活力の無さが恐ろしいものだとその身で思い知ったのだろう。
「なんでそんなにおどろいてるの〜?遥眞だいじょうぶ?」
びっくりの原因は自分だと気付くことなくいつも通りぽわぽわしている。
「い…いやなんでもないょ…ぅん。よし夜ごはん作るぞ…。唯音何がいいとかある?」
「え〜じゃあ〜オムライス〜。」
「昨日もオムライスだったやん…。」
「オムライスならいくらでも食べれる〜。」
「いや、……まぁいいでしょう。じゃあオムライス作るからくつろいでて。」
「は〜い。」
内心でため息をつきながら材料を揃える。
やがて15分後、俺の家の机にはノートパソコン2台とオムライス2つサラダ2つが乗っていた。
「小説の調子はどうですか?」
「え〜とぼちぼちかな〜。とりあえず一応書き上げたから後は読み直してダメなところを直すだけかな〜。」
彼女はライトノベルの専門の作家である。
実はさっき千春が読んでいた『転生しなくてもバクテリアだった件』は唯音の作品だったりする。
それが去年アニメ化したりしたからその人気の程が窺い知れるであろう。
オムライスも食べ終わり、食器洗いも完了してさぁてくつろぐぞという時にまたも刺客が襲ってくる。
「ねぇ遥眞〜洗い物とか洗濯物とかやって〜。」
「うぐっ忘れてた…。やるか……。」
普通の人は今の唯音のセリフにはにゃ?って思うだろう。
はにゃ?って思う上にえ?こいつら頭大丈夫か?って思うだろう。
俺も最初はそう思っていた。
重い腰を上げて外に出て一個隣の部屋を開ける。
そう、実は唯音は隣に住んでいるのだ…。
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