バニーガールからホステスへ~運命の出会い

「おい!お前おせぇーんだよ!!!」


「すみません!!」


バニーガールの中で最年長の女がいた。

30代半ばにもかかわらず、身長と態度だけはでかい。


新しく入った黒服の地味な40代に罵声を浴びせ笑っている。

当たり前のようにウサギ狩りが行われ、バニーガールの中でも派閥ができていた。


私と仲良しだった、柚月、ひろえ、めぐは、1か月の給料を手放し飛んだ。

10万近くの収入を手放してでも辞めたかった。

そしてそれぞれ新しい働き先を探した。


ひろえに誘われ、今はなきキャバレーで働くことになった。

時給2,000円のホステスだった。


ホステスの年齢層もかなり高く、毎日年配の方をを迎えに行くホステスの大御所もいて、テーブルを見ても、自家製のキュウリの漬物が上がっているくらい上品さはない場所だった。



迷子になるほど広いホールの中で、私は出会った。



15人程の女性もいる団体。社員旅行のようだった。

気さくなおじさまの集まり。そんなグループだった。

その中でひときわ盛り上げ役の50代後半の彼。

かなり酔っぱらっていた。


私とはほとんど話さなかったのに、帰り際に連絡先を渡され、「来る~?連絡してね~」と言い帰って行った。

まだ不慣れな私は、明日の営業も兼ねてホテルへ向かった。


今思うと、初対面の男性の部屋に行くなんてなんて危険な事。

当時22歳の私はまだ処女を捨てたばかりの世間知らずだった。


部屋に入るなり「変なことはしないでよ!!」

と思わず言ってしまった…


他愛のない話をし、お酒を飲みお菓子を食べ、案外普通に過ごした。

アフターとやらはこんなことをするのか?

と思っていると


「こっち来なよ!ほら~ここに座るだけでいいからさ~」


以前にも聞いたフレーズ。


「変な事しないでよ!!」そう言ってしぶしぶ膝の上に座る。

頭の中には明日の指名を取らないと…という言葉でいっぱいだった。


真っ白い下着の上から胸を揉まれ、まだ開発されていない私の体を刺激していく。

下から私を突き上げるようなリズムで突きつけてるソレは服を着ていないと完全にSEXしているようだった。


それなりな反応を演じていた私だが、以前の事が頭をよぎる。

いや、私は仕事でこうしているだけ。


そう思った瞬間、彼の指がいやらしくつまんできたその先に自分でも驚くほどの声が出てしまった。


あぁ…なんていやらしいことをしているんだろう。

そんな自分に酔いしれていた。

そこから先には…進まなかった。


乱れた下着を整え、その日は1万円をもらい、タクシーで帰った。

その甲斐あり、翌日も指名をもらい、さらには食事まで連れて行ってくれた。


ただ彼とは飛行機で移動しないと会えない距離だったので、これっきりか…と太客につながらないことに、自分の無駄使いか…とさえ感じた。


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