未知との遭遇
ぼくはコーヒーショップで順番待ちをしている。
ぼくの前にはちょっと小柄な女の子。
なんかモジモジしてる感じ。
どうしたんだろう。
もうすぐ女の子の順番だ。
そう思ったら突然女の子が
ぼくの前でしゃがみこんだ。
ジーンズからはみ出したパンツと
Tシャツからはみ出した浅黒い肌。
そしてぼくの前には店のおねえさんの笑顔。
いいのかな。コーヒーを注文する。
「おふたつですか」店のおねえさんがぼくにきく。
ぼくはおねえさんの視線を追う。
いつのまにかしゃがんでいた女の子が
ぼくのとなりに立っている。
「ふたつです」女の子がすかさず答える。
「それとこれも」と言ってパンをたくさんテーブルに並べる。
それからぼくのほうを見てにっこり笑う。
いいか。わりとかわいい子だし。
「席とっておいたから」ぼくがお金を払うと、
女の子はそう言ってぼくのシャツをひっぱる。
「いつもこんなことするの」
「たまにね」女の子はパンをかじりながらぼくに言う。
結局この日はこの女の子とずっといっしょだった。
ぼくもヒマだったし。面白い子だったし。
「いつもはこなんじゃないんだよ」
女の子はベッドの中でしきりにぼくに言う。
別にいいよ。そんなことさ。
「よくないよ。いつもはごはんおごってもらうだけ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます