その21 車椅子卒業
4クール目の化学療法も同じ薬剤で終了。
今回は前回副作用が少なかったのでMAXの量でしました。
……伸びかけてた髪がまた抜けました……。
後はリハビリと化学療法後の体力回復のために入院継続です。
足の筋肉の使い方を覚えてから、ずいぶん歩けるようになりました。
杖を使って歩いたり、その姿をビデオで撮って自分で歩いている様子を確認して悪い点を確認したり。
時には杖なしで歩くこともありました。
面白かったのが転倒したときの練習。
体育マットの横で先生が私を後ろから押します。
ぽってーん、と転ぶ私。しっかり受身をして。
傍から見てると、足悪い人を突き飛ばしてるように見えるんだろうなぁ、と面白かったです。
時々主治医の先生も見にきてくれていました。
ある日のこと。
主治医の先生の前で杖をついて歩きます。
普段も少し痛いんだけど、その日はちょっといつもより痛かった。
「痛い!痛い!」
「どこが痛いねん!」
と、リハの先生。
「(無いほうの)足首!足首!」
「足首はない!」
そんな会話をしていたら、主治医の先生が
「……ひどい(´・ω・`)」
って、本当に(´・ω・`)の顔文字みたいな顔しておっしゃいました。
入院中笑っちゃった出来事のひとつです。
そんな感じで歩く訓練は少しずつ進んでいました。
しかし、まだ車椅子は卒業できてません。
早く好きに歩きまわれるようになったらいいなー、って思ってました。
あるときから、リハビリは3人コンビで行うようになりました。
脳梗塞かなにかで片麻痺がある方、事故の影響で高次脳機能障害をお持ちの方、
そして片足義足の私。
基本的な障害の部分はそれぞれ行いますが、その後でボール遊びをします。
ボールを床にワンバウンドさせて他の誰かにパスをします。
先生も含めて4人含めて。
遠くに飛んでいったとき拾いに行くのは私の係。
転がるボールを体をかがめて拾う、という動作はいいリハビリになるのです。
慣れてきたら2つのボールでキャッチボール。
取り損ねたら、他の3人(リハの先生含めて)からしっぺ。
しっぺ、といってもちょっと軽くたたく程度ですが。
3人でのリハビリボールゲームは楽しかったです。
私が入院していた病院は、結構敷地が広いところでした。
そして半月ほど経った頃、3人コンビと先生とでその広い敷地を散歩しました。
私は杖で。
敷地をぐるーっと周り、リハビリルームへ戻りました。
そこでようやく車椅子卒業に。
いそいそと部屋に戻り、車椅子に御挨拶。
――5ヶ月間ありがとう、私は今日から自力で歩きます。
退院間近のことでした。
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