第4話 real plotter 3

則子の実家を出る。

眩しいので空を見上げた。

太陽。入道雲。

焼かれる寒さ。

打ち水で空気が揺れている。

一雨降るかもしれなかった。


「蒸発、か」

相談もしないで。


避暑がてらファミレスに入って電話をかけた。

「お電話ありがとうございます。STラボラトリーです」

「あ、岬洋夏と申しますが、real plotter

についてお尋ねしたくお電話申し上げました」

「少々お待ちください。担当のものに代わります」

保留音に電子音楽が流れる。

電話対応に女性オペレーター。結構大手だなぁと感心する。

「お電話代わりました。担当の佐藤と申します」


――

電話を切る。

ウェイトレスがコーヒーサーバーを持ってくる。

「おかわり如何ですか」

「お願いします。」


会計を済ませて出て行く人。

すれ違いで入ってくる男。


男は携帯をしばらく見ていた。

本人確認をしているのだろう。

済んだのか近づいてくる。


「初めましてSTLの佐藤です」

「改めて。はじめまして岬洋夏です」






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