第3話  real plotter  2

サークル棟。文学同好会。

携帯でプロットを書く洋夏。

サークル仲間達がやってくる。

「あれ?則子は」

「則子?最近見ないね」

「例のソフト?」

「ええ」

「ちょっと見せてよ」

「もっとお金に成りそうな事書きなよ。せっかくのキラーノート、若しくはウイングノート」

「現実になるプロットですか?」

「そういう噂。どうせ現実になるなら、お金儲かったほうがいいでしょ」

「そういうものですか」



大学の校舎の谷間。夕暮れの空。

「風景描写で実験してみるか」

“夕暮れの空が突然曇りだし雷雨になった”と打ち込んでみた。

左右を通り越していく学生達。

黄昏の空はそのまま夜へと移っていく。

十分は呆けていた。

「駄目じゃん」

全然現実にならない。噂は噂か。次は何で実験しよう。


携帯を取り出し則子に電話する。

「こっちも応答なしか」






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