第5話 結婚
カンカンカン
教会の鐘が響き渡る
そんなに人数は多くない
みんなに見守られて
空き缶などが後部にむすばれた車で
斎場まで行く
このままハネムーンにいけるなら
かっこいいが
ドレスも車も借り物
斎場で返す
「どうもありがとうございました」
私、美穂は結婚式を無事に終えた
元気にしてた?
相手の名は鳥沢雄一郎
退魔が縁で知り合った
ようするに妖怪退治屋さん
隣の区で暮らしていたのだが
今度私のアパートへ引っ越してきました
これで全部屋埋まった形です
私は管理室の居間を自室にしてるし
相手も一部屋とってもう一部屋は居間
後残るのはダイニングとキッチンだけ
結構強引な男でされるがまま
ずるずると来てしまったが
子供ができた時は潔かった
正直逃げるかと思ってたよ
あれよあれよで月日がたって
6ヶ月の妊婦さんで披露宴
あれだねー
今はできちゃった婚も多いせいか
レンタル衣装にも妊婦ふくあるのね
たすかったわー
ぴーじじぃ
応答願います
こちらS区のセンターです
無線が鳴る
はいこちらB区アパートです
「あ、美穂ちゃんおめでとう」
「ありがとう、でどした?」
「ここんとこの首切り魔がほぼ妖怪と断定
今晩狩だしするので強力要請お願いします」
じじっ
「B区OKです」
「T区了解」
「C区今C区でも被害届がきました」
「かなり行動範囲広いですね」
「M区わかりました」
これは久しぶりに大物取りになるね
狩りこむのはS区の公園すでに
離脱結界は張られている
これを張ると普通の人間は
気づかずに遠ざかる
中で起きてることも無関心
派手に物音を立てても誰も興味を示さない
などなど便利な結界だ
私も習得済み最近だが…
私はここで待機組
安定期とはいえ妖怪を追い込むのは
足手まといだろう
妖怪はM区に出没
犠牲者14人目今晩だけでも3人を殺し
体を食べているところを発見
そのまま数人で追いかける
連絡手段は小型無線機にポケットベル
かなり足が速く見失いかけることも数回
でも50人強の人数が出張っている
発見から1時間後公園に来た
追い込まれて来たと同時に
攻撃派と探索派とわかれる
防御結界を広げて多いつくす
役40人
残り15人ほどが取り囲む
その姿はかまきりだった…
2、3人ずつが攻撃し後は逃げないように取り囲む
が飛んだ!そいやかまきりって飛んだな
なんてゆうちょなこと言ってられない
こいつ結界を切る!
とっさに前にでて結界を張りなお…せない
はやい2激目を結界がとりまく手で受け止める
重い!結界が消去した地点で両手ばっさりやられる!
後ろから炎の矢。火炎姫か
が簡単には燃えないが地面を転がり炎を消そうとする
その間に私はMAXの強度で防御結界を張る
真っ白で外の様子はみえないが40人守らなきゃならない
多少の好奇心を満たすわけにもいかない
それから15分ほどしたら火炎姫…萌香さんがもういいよと
声をかけてくる。結界を解く
「どうなったの?」
「羽に隠れた背中が弱点だった
もう一度飛んだ習慣、靴木夫婦さんが飛び乗って背中を切り裂いて終わり」
靴木とはかずみくんの苗字ようするに父母が倒したのだろう
ねこまたって強いんだ…認識変えよう
「それじゃ解散なー」
「まったーーっ」
私たちは一度苦い経験をしてる
「卵探さないと町がパニックになる
それに強さが強さだ数でこられるとやばい」
それから2時間の探索で7つの卵胞をみつけて焼き殺した
これで今回の事件は解決した
「美穂ちゃん大丈夫?」
「疲れたけど平気、手に防御結界が取りまとっていたから」
「そっかじゃあ帰ろう」
「うん帰ろう」
「そういやさー旦那様は活躍できたのかなーっ?」
「追い込みはやってたがまさか乱戦で拳銃は使えんだろう」
あ、そっか雄一郎は弓や銃に気をこめて放つんだった
火炎姫の行動で背中が弱点とわかったのだろう
なら結界を破ろうと羽をぶんぶんさせた時の動作は
一番狙いやすかったはずだし少しは役にたったかな?
アパートの人間総勢で帰る様というのも
なんとも異様なきもするが
他人にはなんの団体だろうとしか思わないだろう
次の日千一郎が切り倒した公園の木が
悪質ないたずらとしてニュースになっていたが
正確にはかまきりを切った波動が反射して木をきったらしい
あんなおそろしい妖怪が増殖すること考えれば
たいした問題じゃないだろう
そうして今日はおおむね暇な一日だ
管理室でテレビを見ている
そんなニュースを聞きながら
私たちはまだまだ戦っていかなきゃならない
良い妖怪ばかりじゃ世の中ないからね
でもまずはおい早くでてこい重たくってしょうがないぞ
そういいながらお腹をさする
後4ヶ月か…母になる日も近い
美穂お母さんになりまーす
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