3章 復讐という名の愛

第71話 冬の日の苦悩と焦らしプレイ


「どうしよ」


 目の前にあるのは進路希望の紙。

 12月に入り、年始まであと一月というタイミングで渡された。

 来年過ぎにははある程度決めないといけない。

 

 とはいってもなぁ……

 

 一向に自分が進みたい道というものが定まらない。

 高校生活一番の悩みかもしれない。

 

 「俺って将来何をやりたいんだろ?」

 

 自慢じゃないがここまで勉強して成績をとってきたから選択肢は無限にある。

 そのために理系教科も取っているし、学年1位にもなってる。


 贅沢な悩みなのかもしれないが、本当に未来がわからない。

 俺の中にあるのはかすみとの未来だけ。


 

 幸せに暮らしたい。

 裏切られたりしない、そんな穏やかな日々を過ごしたい。

 

 かすみとしたいことなら色々とあるんだけど……。


「別に仕事としてしたいことがない……」


 結局勉強をしていたのはかすみに見合った男になるため。

 その先がない。


 社会の為に働く?

 そんなご立派なこと考えたことすらない。


 うーん、まったくわからん。

 こういう時は先人に頼ろう。


 「かすみ〜?」


 「うん、なーにー?」


こたつの中でみかんを齧りながら、テレビドラマ

「特命相棒」を見つめながら返事してくる。


「いや待って、巧の聞きたいことはわかってる! ズバリ感想でしょ、話し合いたいんでしょ! やっぱあれだよねぇ、10年振りに初代相棒が戻ってくるって熱いものがあるよね」


 ちなみにこの話は3回目。

 

 特命相棒は長期の刑事サスペンスで、この冬、新シーズンが始まった。

 内容としては、初代相棒が返ってきて胸熱展開。

 ちなみに久々に俺も見た。初代は俺も小さいころ見てたから、めっちゃ懐かしかった。


 かすみにいたっては、「待ってた!及川相棒もカイト君も冠城さんもみんな良かったけど、やっぱりこのコンビ!初代よ初代原点回帰さいっこぉぉっぉぉぉっ!」


 と感極まっていた。

 おれもついでに感極まっていた。


 「まぁ今週の特命相棒も楽しみだけどね?」


 「うん、うんだよね! あ、今は昔の2時間ドラマ見てるんだけどどう? 亀山君最後の事件!」


 期待した目でこちらをみてくるかすみ。

 なにそれくっそかわいい。


 「じゃ、じゃぁみようかなぁ?」


 そんな目で見つめられたら断れない!!

 しょうがないよね可愛い彼女の頼みだし。


 「おいでおいで~」


 ポンポンと、かすみは自分の斜め前の席をたたく。

 

 確かにそこの場所もかすみの横顔を見れるから魅力的なんだけどね?

 でもこっちも魅力的だと思うんだ。

 

 「あっ……ふふ」


 座るのは斜め前じゃなくて、かすみの後ろ。

 かすみは身を縮こまらせ、俺はかすみを包み込むように座る。


 「うん、いいね。 とってもあったかい」


 かすみは無邪気に笑い、俺に身体を預けてくる。

 だから俺はその重みをゆっくりと受け止める。


 「あ、でもこのままだと上体が安定しないな?」


 「……そう?結構安定してる気がするけど?」


 「いやしてない!ちゃんと安定させないと危ないから!これは致し方ないんだ!やましさとかじゃ断じてないから!」


 だから安全のためにもにゅっと。

 包み込むように、両手でちゃんと


 両手に余る、この豊満さ。

 下から支えるようにすることで分かる圧倒的質量。

 そして……


 「ぁんっ…………たくみのえっち」


 かすみの良い声。


 「眼福過ぎるっ……」


 「もうっ、じゃぁこのまま特命相棒見るよもうっ」


 声こそツンデレだが、その実かすみの手も胸を支える俺の手を包み込んでいるから触っててもいいみたい。


 目の前の事件に集中しながらも、手はもみゅもみゅ。

 ついでにと、視線はそのままに、かすみの髪に顔をうずめる。

 全身でかすみを余すことなく感じる。


 

 はぁ幸せ。

 

 

 テレビは事件も終盤に差し掛かっている。

 展開が激しくなるにつれ、俺の手も誘惑に耐え切れず、一層激しくもみもみしてしまう。


 

「……ッ……ぁん……………ンぅ」


 

 かすみから時折あえぐような声が聞こえてくるが、事件に夢中だし、かすみも顔は前を向いたまま。


 事件の結末と最後は知っているといえども、目が離せない。

 そして最後のシーン。


 亀山君は、亡き友の夢を果たす為に異国の地へ。


 やっぱ泣けてくるねぇ、うん。


 これを見たうえで、新シーズン見るともう最高ッ(語彙力喪失)


 

 「はぁ……最高だったね」


 

 「……う……んっ」


 

 あれ?かすみの様子がおかしい。

 さっきまでなら間違いな特命相棒の話題に反応するはずなのに。


 

 「かすみ?……おーいかすみ?」


 

 よびかけるが返事がない、と思ったら――


 「…んっ?!」

 

 いきなり振り返り、そのまま舌を絡めてくる。

 その顔は上気していて、目はとろけている。

 

 キスを続けながら、顔を見て分かる。

 めっちゃ、発情してる。

 

 「巧はいけない子だよね? お姉さんを1時間以上も焦らし続けるなんて、さ」


 え?そんな揉んでた?

 ……ま、まじ?


 「ずっと、ギリギリを触るくせに、本当に触ってほしい所には触ってくれないしねぇ? もうこれは確信犯だよね?」


 かすみの眼が蠱惑的にこちらを見ている。


 

 「ほら?巧のも準備万端みたいだし?」


 

 かすみは空いた手で、俺のを優しくにぎにぎとしてくる。

 そんなことされたら、ねぇ?


 

 「そういえば、巧最近筋トレとか、走ったりもしてたよね?」


 

 俺を押し倒した勢いそのままに、俺のシャツをめくりあげ、胸を撫でる。


 

 「いい筋肉、これならいつもよりいっぱいできそう」


 「んくぅっ」

 

 「……それに可愛い声……とってもそそられる、ふふ」


 

 やばい、かすみサキュバスを覚醒させたかもしれない。


 

 「……今日もいっぱいしよ?」


 そのままかすみは、体を下へ下へとなぞりっていく。


 「あ、おっきくなってるね?でもだーめ、わたしをとろけさせたくせに焦らしたんだから……巧も簡単にはいかせないよ?」


 そのまま炬燵で、俺たちは交ざりあった。

 いじめられた。

 二人して炬燵に入りながら、お互いの体液がまじりあう刺激的な1日だった。



 ……あれ?

 かすみになんか聞こうと思ってたんじゃなかったっけ?


 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

お久しぶりです!

お待たせしました!


3章開幕です。

よければ評価。コメントとかお願いします。


これからイチャコラしながらストーリ進めてきます!

では。


ちなみにこの話を書いたのは10月です。笑

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