第54話 テストと結果

 日曜日は、ちゃんと勉強して、疲れも癒して?もらって万全の状態でテストを迎えた。

 身体は程よく、緊張し、でも心は不思議と満たされている。


「……な、なんかやつれてない?」

「相沢さんこそ、目に隈あるよ?」


 化粧でも隠し切れていない。

 声にもあまり張りがないし、


「うわエミすごいね、どしたん?」

「勉強会してたら、お姉ちゃんが張り切っちゃって、私も変なノリで勉強づけだった」

「どんくらいやったん?」

「2日で、30時間くらいかな」

「「30?!」」


 聞き耳を立てていた佐藤君と田中君も驚いている。


 いやあの後もめっちゃ勉強してるじゃん、その集中力にびっくりだよ。


「私もテスト前だから勉強したけど、そこまでじゃないなぁ」

「俺も」

「普通に1日3時間くらいしかやってないよ大丈夫かな」

「俺もそんなにやってないよ~」



 俺の言葉に相沢さん含め、全員がじろりと見てくる。


「どんくらい?」

「……え?」

「どんくらいやったの?勉強」

「いやほんとに相沢さんほどやってないよ、……大体2日で15時間くらい?」


「「いや十分多いよ!」」


 はもる声。


「ま、まぁまぁテスト前で俺もちょっと追い込んだからね」


 後こんなこと言うのもなんだが、前回とかの方がもっとやってた。

 かすみと付き合い始めて、ほどほどにしてるけど。


 だからいつもテスト前とかは、勉強のし過ぎで目が極限に細くっていて、いつもより顔つきが3割増しで悪くなっていた。

 それが今やおめめぱっちり。


 朝食まで今日は準備してもらって健康ばっちし。


「……テストはまだ始まったばかりだからね、1日1日を頑張っていこう!」


 相沢さんはそう言うと、会話にも乗らず黙々と勉強を始める。

 す、すごい、意識が高い。

 1夜付けならぬ、土日付け。


「お、おれらもやろっか」

「お、おう」


 相沢さんの真剣度に茉莉さんとか佐藤君のみならず、クラスのみんなが慌てて教科書開き始める。

 結構、直前で見た問題集とかがテストに出たりするからね、案外こういうのはバカに出来ないんだよなぁ。


 っと俺も物思いにふけってないで、事前に復習しておこっと。


 そんなこんなで、地獄の期末テストが始まった。


 1日目。

 テストはまぁまぁできた。

 相沢さんはすぐ家に帰っていった。



 2日目。

 今日は2教科の日。

 間に自習時間がある。

 因みに佐藤君は個の自習時間に3時間目の数学の公式とか覚えるって言ってた。

 多分だけど爆死すると思う。


 案の定、帰る時に彼の口数は少なくなっていた。

 相沢さんは今日もすぐに帰っていった。

 化粧は濃くなっていた気がした。


 テストはまぁまぁできた。


 3日目。

 今日は自習時間なしの3教科。

 暗記科目が多かった。

 相沢さんに至っては集中しすぎて、口数も減っていた。

 あと田中君と佐藤君も昨日のダメージをひきずっているのか静かだった。


「みんなの雰囲気えっぐくない?」


 居心地悪そうに話しかけてきたのは茉莉さん。

 彼女は計画的にやっていたらしくいつも通り。


「まぁ全体的に難しめだよね、夏休みにちゃんと勉強しろってことなんだろうけどさ」


 クラス全体的に爆死気味だしね


「かもねぇ、地獄の合宿に行く人もいそ~」


 地獄の合宿の言葉に相沢さんが震えて始める。


「いやだ、これ以上の勉強合宿はもう……お姉ちゃんこわい……定期連絡……」


 家で相当しごかれているらしい。

 多分勉強会でも時折見せてた、氷の微笑で恐怖政治を行っているんだろう。


「えみも限界っぽいね」


 隣では突っ伏している相沢さん。

 唐突に立ち上がり帰り支度をはじめ、足早にかえっていく。


「……だ、ダイジョブそ?」


 その後ろ姿に声をかければ、右手だけ掲げ、親指をサムズアップ。


 ……うんターミネーターかな?


「変なスイッチ入ってるね~あれ」


 あははと茉莉さんが笑いながら、その後ろ姿を写真におさめている。


「あとでいじろーっと」


 そんな感じで3日目が終わった。

 テストはまぁまぁできた。


 4日目、最終日。


 今日は朝からクラス全体の雰囲気が異様に高揚していた。

 そんなテスト最終日。

 相沢さんの目は隈とテスト終了する日の為かぎらつきがすごい。


 4日目は2教科。

 これですべての科目が終わり、今日の午後は久々に皆が緊張感から開放される。


「諦めたらそこで試合終了だよ?」


 自習時間の最後に悟ったような目で、相沢さんは呟いてた。

 多分自己暗示か何かだと思う。


 佐藤君と田中君も死んだ目で頷いてた。


 そしてとうとう。


 キーンコーンカーンコーン


 最後のチャイムが鳴り。


「終わったーー---!!!!」


 誰かの叫ぶ声。

 それと同時に相沢さんは机に突っ伏している。


「燃え尽きたよ、真っ白に……」


 そんな風に呟いている。

 案外余裕ありそう。


 そして各々クラスを出ていき、部活に行くなり、遊びに行くなり思い思いの場所へ。

 相沢さんは友達の茉莉さんと遊び行くのかと思ったんだけど……


「……ど?テスト終わったしカラオケでも」


 茉莉さんが気を利かして、相沢さんを誘うが、当の相沢さんはというと……


「今日は寝かして……」


 そんな遺言とともにふらふらと帰っていった。



 そして翌週、テスト結果の返却。

 皆の期待が高まる中。

 その結果。


 佐藤君と田中君が40点台2つで2教科赤点。


 そして、相沢さんが、49点で1教科赤点。


「Nooooooooo!!」


 絶望の声を挙げていた。


 でも逆に他のテスト点数軒並み60点台で、保健体育に関しては80点台なんだからかなり頑張ったんでは?


 ってあれ?これ俺らの班、俺と茉莉さんだけじゃね?


「……ま、マジ?」


 2人して顔を見合わせる。

 どうするの林間学校。


 ちなみにテストはほとんど95点以上でした。


 ー------------------------------------

 月曜日が終わたぁぁぁ。

 明日は魔の火曜日(´;ω;`)

 頑張りましょう!!


 いつも応援ありがとうございます!

 フォローとうとう5000に!!感激です。

 これからもよろしくお願いします!!

 沢山のコメントとかももらえてとてもモチベになっています!

 これからも星とか応援よろしくお願いします!

 

 ではでは

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る